1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10555288
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
功刀 滋 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (70111929)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 昭治 テラメックス(株), 常務取締役(研究職)
平賀 和三 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助手 (50252549)
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Keywords | 耐性酵素 / 高圧力 / 高温 / 誘導 / 人工条件 / スクリーニング / 有機溶媒 |
Research Abstract |
酵素あるいは生体触媒を有用物質の生産に利用することは、将来の化学工業の一部を置き換える可能性を持った、有力な変換プロセスとして認識されている。一般に酵素の作用は穏和な条件で行われることが特色とされているが、一般化学プロセスについてまで広げて考えた場合、酵素本来の合目的性からはきわめて過酷な条件で作用させることが必要になる。さらに、そのような人工的な環境で酵素触媒を働かせることによって、新しい機能・特異な作用が発揮される。例としては溶剤系での反応や、高圧力下での反応等がある。これらの人工環境での酵素反応の利用の正否は、究極的にはその種の環境に耐え得る酵素を開発できるかどうかが握っており、本研究では、人工条件耐性の酵素を、誘導あるいは改変によって開発することを目的としている。 本年度は具体的には、化学的修飾法により通常酵素を人工条件耐性の酵素へ改変することをおこなったが、これには、申請者らが開発してきた高圧力による可逆的変性を利用したタンパク質内部修飾法適用の可否を調べた。さらに、このようにして得られた人工条件耐性酵素の構造安定化の機構を調べ、さらに特異的機能の発現機構を知るべく、各種分光学的方法および構造学的解析を行った。とくに、人工条件下での触媒反応の選択的特異化については、高圧・高温条件下において、活性測定と構造変化の解析を行い、サーモライシン・ヴィメライシンなどの金属プロテアーゼについて、温度・圧力の広い範囲における活性・構造相関図を得ることに成功し、高圧力下条件で特異な活性や、温度・圧力間antagnismを観測することができた。 さらに、高圧下でのタンパク質集合体の様子を観察するための、高圧光散乱セル、高圧顕微鏡観察セルの開発に着手し、試験品を手にするに至った。
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[Publications] Guo-Qing Tang: "In vitro Increases in Plasmid DNA Supercoiling by Hydrostatic Pressure" Biochemica et Biophysica Acta. 1443. 364-368 (1998)
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[Publications] Guo-Qing Tang: "Study on the Salt Effect on DNA-Hoechst 33258 Interactions by Fluorescence Spectral Shifts and Pressure Dependence of the Binding Equilibrium." Bulletin of the Chemical Society of Japan. 72(in press). (1999)
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[Publications] Shigeru Kunugi: "Studies on the formation and stability of a complex between Streptomyces proteinaceous metalloprotease inhibitor and thermolysin" European Journal of Biochemistry. (in press). (1999)
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[Publications] Shigeru Kunugi: "Effects of ionic additives and ionic comonomers on the temeprature and pressure responsive behavior of thermoresponsive polymers in aqueous solutions" Langmuir. (in press). (1999)