1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10555289
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
新名 惇彦 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (30029235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 晃 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (80283935)
関根 政実 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (70226653)
吉田 和哉 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (50252622)
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Keywords | 植物バイオマス / 廃棄物 / サツマイモ / 西洋ワサビ / ペルオキシダーゼ遺伝子 / 誘導型プロモーター / 熱ショックタンパク質遺伝子 / 転写因子 |
Research Abstract |
植物バイオマスの多くは廃棄物である。これの有効利用を目的として、サツマイモ、高系14号の葉部に付加価値の高い西洋ワサビのペルオキシダーゼを蓄積させる。 CaMV35Sプロモーターに連結したペルオキシダーゼ遺伝子、prxClaを組み込んだpBI101Hmを保持するアグロバクテリウムをサツマイモカルスに感染させ、ハイグロマイシン耐性の再生個体5系統を選んだ。サザン解析によりprxCla遺伝子のコピー数は1-3であった。ノザン解析で転写物を確誌し、酵素活性を測定した結果、宿主サツマイモの2-5倍に上昇していたつ等電点電気泳動で、宿主のべルオキシダーゼとは異るpI値の活性バンドが見られ、prxCla遺伝子産物の蓄積が確認された。 実用的には遺伝子の導入・発現が本来の有用部分である塊根へ影響を与えないことが重要である。そこで発現時期を人為的に制御できる誘導型プロモーター(シロイヌナズナの熱ショックタンパク質遺伝子、HSP18.2のプロモーター)の利用を計画した。HSP18.2プロモーターのタバコでの解析では生育温度の28℃から37℃へのシフトによりレポーターのGUS遺伝子の発現が約1,000倍に上昇したが、酵素の合成は精々数時間しか持続しなかった。長時間植物を高温に保持するには限界があるので、正の転写因子をHSP18.2プロモーターで数時間駆動し、温度を下げた後、転写因子が数日間安定であれば、それが作用する遺伝子の発現の持続が可能である。転写因子として、VP16をGal4DNA結合ドメインに融合させた。標的遺伝子にはGa14結合配列を上流に持つCaMV35S最小プロモーター支配下のGUSを用いた。目下、タバコでその有効性を確認中である。
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