1999 Fiscal Year Annual Research Report
3次元レーザー蛍光分光顕微鏡による細胞内物質の高選択定量と体液中ウイルスの計数
Project/Area Number |
10555294
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
原田 明 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (90222231)
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Keywords | レーザー蛍光 / 蛍光分光顕微鏡 / 分光画像 / 3次元解析 / 高選択定量 / 生体物質 / 細胞内物質 / 粒子計数 |
Research Abstract |
蛍光法は化学種の検出において一般に極めて高感度であるが、細胞内物質の計測、特に診断目的の定量評価では解決すべき問題が多い。非特異吸着した蛍光プローブと生体内有機物からの蛍光バックグラウンドや細胞組織の光散乱による定量性・再現性の劣化が最大の問題である。一方、細胞単位での診断の必要性は増加しており、技術的指針が求められる。そこで、蛍光分光顕微鏡のハードウエア・ソフトウエア両面での技術開発をベースに、細胞内の目的物質を選択定量する実用的手法の確立、液中の微細個体を短時間で選択的に計数する手法の完成を目的として、2次元画像分光システムを用いてバックグラウンドの軽減・光散乱の軽減による計測精度の向上を図っている。3年計画の第2年度は主に以下を検討した。 1.光学除振台を導入して経時的な安定性の向上をはかった。波長を変えて条件設定を行うため、励起光源に、レーザーと併用して分光したハロゲンランプの利用を検討した。 2.モデル系を用いて選択検出を検証し性能を評価した。昨年用いたポリスチレン粒子が表面のみに色素が吸着する系であるのに対し、色素が内部まで浸透するイオン交換樹脂を用いた。3種類の蛍光色素で別々に染色した3種類の粒径(3-10μm)の試料、9種類の混合系について、蛍光スペクトルを比較し、色素判別が容易なことを実証した。特に、ピーク波長にわずか5nmしか差がない色素も判別できることが解った。 3.粒子内での光の屈折により部分的に蛍光強度が高くなると同時にスペクトルも変化することが判明し、定量法確立のために、この点の解決が次年度の課題となった。 4.疑似細胞膜系である油水界面の蛍光分子の挙動を観測する実験では、レーザー共焦点顕微鏡により2次元稀薄気体状態の界面分子挙動に関して興味深い知見を得た。
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[Publications] X..-Y.Zheng,A.Harata,T.Ogawa: "Fluorescence Photon Bursts from Low Surface-Density Dioctadecy1-Rhodamine B Molecules at the Air-Water Surface Observed with a Confacal Fluorescence Photon-Counting Microscope"Chemical Physice Letters. 316. 6-12 (2000)
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[Publications] M.N.Slyadnev,T.Inoue,A.Harata,T.Ogawa: "Investigation of Water Surface by Laser Induced Fluorescence Microscopy using Cyanine and Rhodamine Dye"Colloids and Surfaces A. 164・2/3. 155-162 (2000)
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[Publications] Y.-Q.Li,M.N.Slyadonev,T.Inoue,A.Harata,T.Ogawa: "Spectral Fluctuation and Heterogeneous Distribution of Porphine on a Water Surface"Langmuir. 15・9. 3035-3037 (1999)
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[Publications] Y.-Q.Li,T.Inoue,A.Harata,T.Ogawa: "A Stategy to Probe Air-Liquid Interfaces by Confocal Fluorescent Microscoy"Instrumental Science and Technology. 27・3. 159-166 (1999)
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[Publications] O.N.Slyadneva,M.N.Slyadnev,V.M.Tsukanova,T.Inoue,A.Harata,T.Ogawa: "Orientation and Aggregation Behavior of Rhodamine Dye in Insoluble Film at the Air-Water Interface under Compression.Second Harmonic Generation and Spectroscopic Studies"Langmuir. 15・25. 8651-8658 (1999)