1998 Fiscal Year Annual Research Report
酸化物薄膜最表面分析用高温精密試料台の開発と小型レーザーMBEとの複合
Project/Area Number |
10555308
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
川崎 雅司 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (90211862)
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Keywords | レーザーMBE / マイクロゴニオメータ / レーザ加熱 / STM / イオン散乱 |
Research Abstract |
本年度は、小型化、高温化、耐酸化性を得るための新しい加熱源の切り札として考えたNd:YAGレーザー光を実際に基板加熱機構として組み込んだ成膜チャンバーの開発、および真空内にレーザー光を導入する光導波機構の吟味、これを組み込んだ試料台(ゴニオメーター)の設計等を行った。 Nd:YAGレーザーを用いた成膜装置では、酸化雰囲気に影響されない、効率的な加熱を確認した。到達最高温度はサセプターの融点まで達し、適当なサセプターを選択することによって所望の温度を達成できる。今年度はNiを使用し、1453℃の温度を記録した。これは現在まで報告されている酸化物堆積装置の最高値である。また高温成長が可能になったことで、従来まで作製が困難であったSr_2RuO_4薄膜のエピタキシャル成長、および酸化物の理想的な2次元成長(ステップフローモード)への変化の様子を高速反射電子線回折の強度振動から確認することに成功した。 さらに、上述のレーザー光を光ファイバーを用いて真空チャンバー内に導入するフィードスルー技術をファイバ作製会社との協議、および予備実験等より確立し、真空装置内での加熱を確認した。 現在、上記加熱機構を組み込んだ高精度の6軸マイクロゴニオメータの設計を終了し、製作を行っているところである。引き続き、この試料台を組み込むことで、表面分析装置と成膜装置の複合化をはかり、最表面原子層の原子種と被覆率を確認・制御しながらの酸化物超格子作製技術に発展させる予定である。
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Research Products
(1 results)