1998 Fiscal Year Annual Research Report
ソフトプロセスによるリチウムマンガンスピネル粉体の直接合成と電池特性評価
Project/Area Number |
10555309
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 直一 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (70027704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雨澤 浩史 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助手 (90263136)
武田 保雄 三重大学, 工学部, 助教授 (60093051)
富井 洋一 京都大学, 大学院・エネルギー科学研究科, 助教授 (90026245)
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Keywords | 陽極活物質 / マンガンスピネル / 水熱合成 / γ-MnOOH / ヤーンテラー温度 / 電池特性 / 低温XRD / 柱状粒子 |
Research Abstract |
次世代リチウム二次電池用の陽極活物質として注目されているスピネル型リチウムマンガン酸化物の低温水熱合成を試みた。マンガンイオン原料として、MnO、Mn_3O_4、α-Mn_2O_3、γ-MnOOH、β-MnO_2及びγ-MnO_2について検討を加えた。リチウムイオンの原料としては、種々の濃度の水酸化リチウムの水溶液を用いた。所定の割合の出発原料をテフロン内装のステンレス製耐圧容器に挿入し、温度及び時間を変化させて反応させた。反応後の沈殿物は濾過、洗浄及び乾燥後、XRD、SEM、及びDSCなどにより、粉体特性評価を行った。得られたスピネル型リチウムマンガン酸化物の組成分析及びマンガンイオンの価数は、それぞれICP発光分析及び硫酸第一鉄を用いた酸化還元逆滴定法により決定した。活物質としての電気特性はリチウム金属を負極とするビーカーを用いた模擬電池及びコイン型電池をグローブボックス中で組み上げ、評価した。上記の反応系では、マンガンイオン原料としてγ-MnOOHが優れていることが見出され、同時に、この系では、報告されている他の合成方法条件と比較して、格段に低い150〜170℃の反応温度で直接合成が可能であることが見出された。直接沈殿したスピネル粒子は、通常のセラミック法による粒子と比較すると、柱状のきわめて小さい特異な粒形を示している。その組成は、合成条件によって幾分変動するが、おおむねLi_<1.1>Mn_<1.94>O_4程度を示し、化学量論的スピネルよりもわずかにリチウム過剰となっている。これに伴って、ヤーンテラー温度の低温側への移行が予想されるが、低温XRD測定によれば、10Kにおいても立方晶構造を維持している。低温DSC測定もこの結果を支持している。陽極活物質の特性としては、予想されるように、4Vクラスの電位を示し、容量的には計算によって求められる値(〜80mAh/g)を示す。
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Research Products
(1 results)