1998 Fiscal Year Annual Research Report
ニトロソニウムイオンを伝導する固体電解質を用いた新規な一酸化窒素センサ
Project/Area Number |
10555310
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今中 信人 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (30192503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河波 利夫 株式会社ニッカトー, 代表取締役(研究職)
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Keywords | 一酸化窒素 / センサ / ニトロソンウムイオン / 固体電解質 / イオン伝導 |
Research Abstract |
固体電解質式センサは、固体電解質が特定のイオンのみを伝導するという特徴を有することから、測定ガスから派生するイオンが導電イオン種となる固体電賭質を用いれば、測定ガスを高選択的に検知することができる。しかし、これまでに報告されている固体電解質式NOxセンサは、導電イオン種が測定ガスから派生したものでないことから複数のガスと反応するため、固体電解質式センサの特性が有効に機能しているとはいえない。そこで、NOから派生するニトロソニウムイオン(NO^+)を導電種とする固体電解質を用いれば、固体電解質式センサの特性を有効に発現し、高選択的にNOガスを検知することが期待される。そこで、固体電解質として(K^+,Rb^+)-Ga_<11>O_<17>をイオン交換することによりNO^+を導入したNO^+-Ga_<11>O_<17>を、参照極として亜硝酸ナトリウムもしくは亜硝酸ストロンチウムを用いて、固体電解質弐NOセンサを作製し、そのNOx検出特性を調べた。 そこで、固体電解質を用いたNOセンサを作製するために、固体電解質として、層状の導電面を有する固体電解質であるガレート中にNO^+-をイオン交換により導入したNO^+-Ga_<11>O_<17>を、また、固体参照極として、NOを含み作動温度でも融解および分解の起こらない亜硝酸ナトリウムを用いてセンサを作製し、そのNOx検出能を調べた。その結果、190℃におけるNOに対するセンサの90%応答に要する時間は雰囲気の置換時間を考慮に入れて計算すると、約1分半と迅速であり、また、濃度が変化すると起電力も変化し、濃度を元に戻すと起電力も元の値に回復することからNOの濃度に対して可逆的に応答した。このセンサ出力のNO濃度依存性から得られた傾きは、ネルンスト式から得られる傾きとほぼ一致し、測定値の傾きから求めた反応電子数は1.06となり、理論的にNOに対して応答することがわかった。
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