1998 Fiscal Year Annual Research Report
ゼオライト固定金属錯体をキャリヤーとする省エネルギー型酸素分離膜の開発
Project/Area Number |
10555312
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
塩谷 優 広島大学, 工学部, 教授 (80002137)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新田 昌弘 広島工業大学, 環境学部, 教授 (40002034)
八尋 秀典 愛媛大学, 工学部, 助教授 (90200568)
駒口 健治 広島大学, 工学部, 助手 (80291483)
|
Keywords | 酸素吸脱離 / ゼオライト / コバルトフタロシアニン / 軸配位子 / 酸素アダクト / ESR / NOx / 分子運動 |
Research Abstract |
本年度は、コバルトフタロシアニン錯体(Co^<2+>Pc)のY型ゼオライトへの固定化と酸素分子吸脱着挙動に関するESR分光法による研究を行った. 1. シップインボトル法を用いY型ゼオライト細孔中にCo^<2+>Pcを合成した. 2. ゼオライト固定Co^<2+>Pc-Yに、室温で軸配位子(アンモニア,n-ブチルアミン)次に酸素を導入後,Co^<2+>PcにO_2分子が結合したCo^<3+>Pc-O_2^-(酸素アダクト)の生成が観察できた. 3. 排気・酸素再導入に伴う酸素アダクト生成の可逆性を検討した。排気・酸素導入回数の増加に伴う可逆酸素アダク量の低下は排気操作に伴う軸配位子の脱離に起因することが分かった. 4. 酸素アダクト量の観測温度依存性をESRで観測した.77K-130Kの温度域では酸素アダクト量に変化はなかった.130K以上に昇温すると、急速にアダクト量は増加し190Kで極大に達した.その後減少した.このアダクト量の増減現象は系内の未反応酸素の拡散による,Co^<2+>pcへのO_2付加と,Co^<3+>pc-O_2^-からの酸素脱離の競争反応を仮定し説明できた. 5. 相異なる構造と金属イオンを持つゼオライトに吸着したNO_x(x=1,2)のESR研究を行い、ゼオライトの構造・交換金属イオンと分子吸着・分子運動の関係につき詳細な基礎的知見を得た。 口頭発表 (1) 日本化学会代75秋季年会(松山、1998年9月)「ゼオライト固定コバルト錯体の酸素吸脱着挙動:ESR法による研究」中貴史、塩谷優、八尋秀典 (2) 日本化学会代76春季年会(東京、1999年3月)「ゼオライト内のコバルト-酸素錯体のESR法による研究」中貴史、塩谷優、八尋秀典、新田昌弘
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Haitao.Li: "A Novel Information Imaging to Characterize Molecular Dynamics of NO_2 on Na-Mordenite" J.Phys.Chem.102・29. 5641-5647 (1998)
-
[Publications] 塩谷優: "金属イオン交換ゼオライト中でのNOxの分子運動と化学結合:ESR法による研究" ゼオライト. 15・3. 104-112 (1998)
-
[Publications] H.Yahiro: "An ESR Study on Silver Atom-Ammonia Adducts in γ-irradiated AgNa-A Zeolite with Low Silver Content" J.Chem.Soc.Faraday Trans. 94・6. 805-808 (1998)