1998 Fiscal Year Annual Research Report
両親媒性デンドロンの自己組織化によるミクロンスケールの構造規制
Project/Area Number |
10555322
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
相田 卓三 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00167769)
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Keywords | 自己集合 / デンドリマー / 両親媒性デンドロン / ミセル / 重合反応 / 可溶化 / 光開環・閉環反応 / ミクロンスフェア |
Research Abstract |
本年度では、以下の項目の検討を行った: 1. 両親媒性デンドロンの合成と同定 Double-Convergent法を用いて、外表面にエステル官能基を有する一連のサイズの異なるデンドロンブロマイドLnBr(n,芳香環層の数、=1-5)を合成した。光延反応により、コアにスチレンユニットを有するデンドロンを誘導した。また、対照として、塩基性触媒存在下、末端にフェノール官能基を有するLnOHと長鎖アルキルブロマイドとのカップリング反応により、外表面にエステル基、コアに長鎖アルキル基を持つデンドロンを合成した。^1HNMR,MALDI-TOF-MSなどにより、これらのデンドロンは単一分子であることを確認した。 次に、KOH/THF/CH_3OH-H_2Oからなる混合系において、上述のデンドロンの外表面のエステル官能基を加水分解した後、透析により無機塩など小分子を除き、酢酸中再沈により外表面にカルボン酸官能基を有する両親媒性デンドロンを誘導した。得られた両親媒性デンドロンはクロロフォルム、ベンゼン、THFなど有機溶媒には溶けず、塩基性水溶液中によく溶けることが分かった。また、これらのデンドロンの構造同定は^1HNMR,MALDI-TOF-MS,IRなどにより行った。 2. 両親媒性デンドロンのミセル形成 室温下、上述のデンドロンをKOH水溶液(pH12)中に溶かし、光散乱を測定したところ、ミクロンサイズを有するミセルが形成することを確認した。また、形成したミセルのサイズ、および単一性は、デンドロンの構造、溶媒系などの条件に大きく影響を受けることが分かった。以上の知見を踏まえ、今後、単一ミセルを構築すると共に、重合反応によりミクロンサイズを有する球状デンドリマーの合成、および可逆的なデンドロンデンドリマー変換系の構築を検討する予定。
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