プラスチック成形加工におけるレオロジーエキスパートシステムの開発

2001 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 10555328
• Research Institution: Yamagata University
• Principal Investigator: 小山 清人 山形大学, 工学部, 教授 (60007218)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 高橋 辰宏 デュポン(株), 先端技術研究, 研究員 ; 増渕 雄一 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40291281) ; 滝本 淳一 山形大学, 工学部, 助教授 (50261714)
• Keywords: レオロジー / 高分子溶融体 / シミュレーション / K-BKZ構成方程式

Research Abstract

本年度は、(1)前年度までに構築されたレオロジーデータとK-BKZ構成方程式の適応性の検討。(2)ミクロ・メソ・マクロレベルでのシミュレーションの研究開発を行った。以下に具体的な成果を示す。
(1)レオロジーデータとK-BKZ構成方程式の適応性の検討
一軸伸長流動下において、粒子充填する等の不均一構造を持った高分子材料は、ひずみ軟化を示す。そこで、K-BKZ構成方程式がひずみ軟化を示す材料においても適応するかを検討した。その結果、K-BKZ構成方程式は、ひずみ硬化性だけでは無く、ひずみ軟化性を示す材料においても適応する事を明らかにした。
高分子材料の溶融粘弾性を表す構成方程式として、K-BKZ、PSM、PSMLT構成方程式がある。様々な変様式下での測定データをこれらの構成方程式間で比較検討した。その結果、一軸、二軸、平面伸長粘度の再現より、K-BKZモデルが優れていることを明らかにした。
(2)ミクロ・メソ・マクロレベルでのシミュレーション
二次元のブラウニアン・ダイナミクス・シミュレーションモデルを用い、高分子溶融体の一軸伸長流動のシミュレーションを行った。その結果、線形粘度は、密度が高いほど上昇した。また、ひずみ硬化性を示す臨界のひずみ速度は、密度と緩和時間に依存しなかった。長い緩和時間は、強いひずみ硬化性を示した。
スクリュー内における樹脂の混練挙動をカーボンブラックを用いた数値解析により明らかにした。スクリュー形状による混練樹脂の温度・圧力上昇も定量的に明らかにした。
流線要素法、K-BKZ構成方程式を用いて、ストレートタイプ二重管から押出しされる樹脂のダイスウェルシミュレーションを行った。結果、レオロジー特性の異なる流体層の様々な配置が押出スウェル量に及ぼす影響を定量化した。また、実測データと比較することでシミュレーションの予測精度を検証した。

Research Products

• [Publications] A.Minegishi, A.Nishioka, T.Takahashi, Y.Masubuchi, J.Takimoto, K.Koyama: "Uniaxial Elogational Viscosity of OS/a Small Amount of UHMW-PS Blends"Rheologyca Acta. 40. 329-338 (2001)
• [Publications] A.Nishioka, T.Takahashi, Y.Masubuchi, J.Takimoto, K.Koyama: "Melt Rheology of Ethylene Ionomers Blended with a Small-Molecule Acid"Polymer. 42・18. 7907-7910 (2001)
• [Publications] A.Nishioka, Y.Masubuchi, J.Takimoto, K.Koyama: "Measurement of Planar Elongational Viscosity and Stress Relaxation of Polymer Melts Using Lubricated Squeezing Method"Journal of Japan Society of Polymer Proccessing. 13・8. 563-570 (2001)
• [Publications] A.V.Sesha Sainath, T.Inoue, K.Yonetake, K.Koyama: "Thermal behaviour of poly(acryloyloxybenzoic acid)/nylon"Polymer. 42. 9859-9862 (2001)
• [Publications] M.Sugimoto, Y.Masubuchi, J.Takimoto, K.Koyama: "Melt Rheology of Polypropyrene Containing Small Amount of High-Molecular-Weight Chain.2.Uniaxial and Biaxial Extensional Flow"Macromolecules. 34. 6056-6063 (2001)
• [Publications] Y.Masubuchi, J.Takimoto, K.Koyama: "Brownian Simulations of a Network of Reptating Primitive Chains"Journal of Chemical Physics. 115・9. 4387-4394 (2001)