1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10555332
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
新岡 嵩 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (90208108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 成人 宇部興産(株), 宇部研究所, 主任研究員
和久 芳春 宇部興産(株), 宇部研究所, 主席研究員
丸田 薫 東北大学, 流体科学研究所, 講師 (50260451)
小林 秀昭 東北大学, 流体科学研究所, 助教授 (30170343)
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Keywords | スクラムジェット / 超音速燃焼 / 保炎器 / 保炎限界 |
Research Abstract |
マッハ数2.5の超音速空気流中に二次元三角柱のストラット(保炎器)を置き、その後流に発達する燃焼領域を観察した。作成したストラットは、中に予混合室を設けてあり、外部から空気と水素を導入してこの中で混合させた。点火器を予混合室の中に取り付けてあるので、予混合室を予燃焼室にすることも可能である。実験は空気量と水素量を変化させて当量比による保炎を調べた。同時に数値解析も進めて比較検討して保炎のメカニズムの解明を行った。特に、ストラット後方面の燃料噴射口が一個の場合と二個の場合の保炎性について違いを明らかにして実用上のストラットの燃料噴射方式に指針を与えることができた。主な結果は以下の通りである。 (1) 本実験範囲においては、予混合室の燃焼限界(当量比)は、圧力を高めてやる事により高くなったが、予混合室が燃焼している状態でストラット後流の火炎が消炎することはなかった。 (2) 予混合室内で燃焼が起こっていない場合、ストラット後流火炎の保炎の上限界は、燃料噴射口が1本の時が最も高く、燃料噴射口が2本になり、その幅が広がるにつれて低くなった。 (3) 燃料噴射口直後の再循環領域の数値計算結果を比較すると、燃料噴射口が1本の場合も2本の場合も当量比が過濃であり、その更に後流における主燃焼領域では理論比あるいは希薄な当量比となっているが、主燃焼領域の安定は過濃な燃料噴射口直後の再循環領域に強く支配されていると考えられる。燃料噴射口が1本の場合の再循環領域が相対的に大きくより安定であることと、2本の場合は主燃焼領域が非常に希薄な当量比であるため、より大きい初期混合比に対して保炎し得ると考えられる。 (4) OH分布の数値計算の結果と、LIFによるOH分布の計測の結果は定性的にほぼ一致し、燃料噴射口が1本の場合は、燃料噴射口が2本の場合に比べて滞留時間の長い再循環領域と淀み領域が形成されることが、上記の当量比分布と相俟って燃焼領域が安定する要因であることを裏付けた。 今後の研究としては、予混合室内で燃焼が起こっている場合におけるストラット後流火炎の保炎限界の測定、更に、ストラット後流内の燃焼現象を更に深く理解するために、後流入炎の詳細な解明が必要とされる。
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Research Products
(1 results)