1999 Fiscal Year Annual Research Report
高温流体診断のための半導体レーザー吸収分光システムの開発
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10555334
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小紫 公也 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (90242825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森野 美樹 宇宙開発事業団, 主任研究員
荒川 義博 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50134490)
藤原 俊隆 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90023225)
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Keywords | Absorption Spectroscopy / High-Enthalpy Flows / Diode Laser |
Research Abstract |
本年度は、酸素原子の吸収ライン(777nm)付近で発振する近赤外レーザーをプローブレーザーとして、酸素原子の準安定準位にある粒子の数密度の測定を試みた。実験は東京大学のアークジェットと岐阜県多治見市(株)超高温材料研究センターのアーク加熱装置のそれぞれの高温排気プルームについて計測を行った。どちらも総温は1万度以上、静温でも5000度以上の高温流体である。東京大学では、アルゴンと酸素の混合ガスに関して計測を行った結果、プルーム中心での準安定準位酸素原子の数密度は10^<17>m^<-3>であり、熱平衡を仮定して得られた基底準位の数密度は10^<24>m^<-3>と推算された。これは酸素の完全乖離を仮定してもなおかつ2桁ほど大きな値であることから、酸素はほぼ完全乖離しており、かつ酸素原子は非平衡な電子励起状態にあることが示唆された。一方、超高温材料研究センターでは、酸素と窒素の混合ガスに関して測定を行った。プルームの中では全く酸素原子の吸収が見られなかった。そこで、プルーム中に置かれた試験材料の前方に出来る衝撃波層の中の計測を行った結果、中心での準安定準位酸素原子の数密度は10^<16>m^<-3>で、熱平衡を仮定して得られる酸素の乖離度はおよそ1%であることがわかった。 このように、本半導体レーザー吸収分光システムを利用して、これまで得られなかった情報を獲得することができ、また本システムはポータブルなため、全国各地に容易に移動させて計測を行うことができることを示すことができた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Komurasaki,K.,Fujiwara,T.,et al.: "Diagnosis of Argon Arcjet Plume using a Diode Laser"Applied Optics. 38(9). 1814-1822 (1999)