1999 Fiscal Year Annual Research Report
複雑な地形・地物上の風況予測に関する数値解析システムの開発
Project/Area Number |
10555336
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大屋 裕二 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (00150524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
烏谷 隆 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (30150527)
大場 良二 三菱重工業株式会社, 長崎研究所・流体研究室, 主査
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Keywords | 風環境 / CFD / 複雑地形 / 格子生成 / 局所地形 / 大気境界層 / 大気乱流 / 流入条件 |
Research Abstract |
本研究の目的は,空間スケールが数十mから数十kmの範囲を対象とした局所地形規模の大気流れを精度良く数値解析するための計算コードを開発し,実用化することである.このため,本年度の目的を次のように設定した.(1)高いレイノルズ数流れの計算を行うため,LES計算を進める.(2)各種の格子系に適した変数配置,計算アルゴリズムを検討し,計算を精度良く安定に進めるための手法を開発する.(3)乱流場としての流入条件を検討し,乱流境界層中の地形,地物周りの流れの計算を進める.これらに対し,以下のことが達成できた. (1)LES計算においては,まず基本的なモデルとなるスマゴリンスキーモデルを採用し,基本流れとなる平行平板内の流れを計算した.十分な精度の解が得られたので,複雑地形へと発展させた.具体的な対象として海上空港となる新北九州空港周辺の流れをLESでシミュレートした.平行して行った風洞実験において流れの可視化で得られた特徴(具体的には内陸側の山間部からの大規模な渦構造を伴った大きな乱れを有する風)が,本LES計算においても明確に捉えられた.(2)計算格子として複雑地形を表現するために矩形格子近似法を採用した.この変数配置ではスタッガード配置が計算の安定性,精度上,最も有効な配置であることを見出した.またBFCは変数のコロケート配置が最も適している.(3)実際の大気流れを計算するためには,流入条件として乱流場を模擬する必要があるが,本研究では計算領域の上流にドライバ部を設け,そこで十分に乱流境界層を発達させる手法を採用した.この手法は簡便であるが,所定の乱流場を生成するためにはフィードバックをかける必要があり,今後の検討課題となった.
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[Publications] Y.Ohya,T.Uchida: "Wind tunnel study and DNS of stable boundary layers and convective boundary layers in the atmosphere"Proc.of the first int.symp.on turbulence and shear flow,Santa Barbara. 589-594 (1999)
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[Publications] R.Ohba,T.Hara,S.Nakamura Y.Ohya,T.Uchida: "Gas diffusion over isolated hill under neutral,stable and unstable conditions,"Euromech colloquium on wind tunnel modelling of dispersion in environmental flows,Prague.. 34-40 (1999)
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[Publications] 内田孝紀,大屋裕二: "安定成層場で地形効果により発生する局地強風の数値的検討"応用力学論文集. 2. 583-592 (1999)
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[Publications] 内田孝紀,大屋裕二: "有限流路内の2次元丘陵地形を過ぎる安定成層流の非定常性-第2報 地面上に滑り無し条件を課した場合-"日本流体力学会誌 ながれ. 18・5. 308-320 (1999)