2000 Fiscal Year Annual Research Report
超音波照射型晶析逆抽出法による微粉体製造とそのモニタリング技術の開発
Project/Area Number |
10555349
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
新苗 正和 京都大学, 工学研究科, 助手 (50228128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 強 京都大学, 工学研究科, 助教授 (60026151)
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Keywords | 晶析逆抽出 / 希土類 / 遷移金属 / しゅう酸塩 / 合成 |
Research Abstract |
複成分を含む有機相から,同時に晶析逆抽出を行うことにより,直接的に希土類-遷移金属混合微粉体を製造することが可能と考えられる。そこで,ランタン-ニッケルおよびサマリウム-コバルトを含む有機相から蓚酸を用いて晶析逆抽出を行い,混合蓚酸塩の合成を試みた。実験方法としては,D2EHPAを所定濃度になるようにベンゼンで希釈したものを有機相とし,硝酸ニッケル,硝酸ランタン,硝酸コバルトおよび塩化サマリウムの各々の水溶液から各金属を抽出した。それら有機相を24時間静置後,有機相を分取し,遠心分離により水分を除去した。含ニッケル有機相と含ランタン有機相および含コバルト有機相と含サマリウム有機相を所定の割合で混合したものを,晶析逆抽出実験に供した。逆抽出水相には,蓚酸2水和物を所定濃度になるように蒸留水に溶解したものを用いた。また必要に応じて逆抽出用水相のpHを硝酸および水酸化ナトリウム溶液を用いて調整した。 晶析逆抽出操作は,先に述べた逆抽出用水相と含2成分金属有機相を200cm^3ずつ分取し,30分間縦型振とう機で振とうした後,25℃一定に調整した恒温水槽内で48時間ゆっくり振とうした。生成した晶析物は,0.2μmのPTFEメンブランフィルターでろ過した後,アセトンにより付着有機物を洗浄した後,蒸留水で置換した。以上の実験方法で検討した結果,ランタン-ニッケル混合蓚酸塩の場合,マクロな意味での組成制御は可能であったが,ランタン-ニッケルが原子レベルで均一な晶析物(ランタンとニッケルを1:5で含むような複合蓚酸塩:La_xNi_<5x>(C_2O_4)_a)は得られなかった。これは,蓚酸ランタンと蓚酸ニッケルの結晶構造の違いやその晶析速度の違いなどが原因であると考えられる。 サマリウム-コバルト混合蓚酸塩の場合,特に逆抽出用水相の蓚酸濃度により,晶析物のX線回折パターンや晶析物の形態が大きく変化することが分かった。
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Research Products
(1 results)