1999 Fiscal Year Annual Research Report
植物病原菌の宿主特異的毒素耐性を利用した病害抵抗性植物の細胞工学的創成
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10556007
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| Research Institution | Tottori University |
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Principal Investigator |
尾谷 浩 鳥取大学, 大学院・連合農学研究科, 教授 (50032305)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板井 章浩 鳥取大学, 農学部, 助手 (10252876)
児玉 基一朗 鳥取大学, 農学部, 講師 (00183343)
中島 廣光 鳥取大学, 農学部, 教授 (40144646)
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| Keywords | 宿主特異的毒素 / 細胞培養 / 毒素耐性細胞 / 細胞選抜 / 病害抵抗性 |
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| Research Abstract |
1.宿主特異的毒素の探索
最近、新潟県でAlternaria alternataによる西洋ナシ黒斑病が発生している。A.alternataには7種類の宿主特異的毒素(HST)生成菌が知られているので、本菌のHST生成について検討した。その結果、本菌は西洋ナシ以外に斑点落葉病感受性のリンゴ品種にも強い病原性を示した。さらに、斑点落葉病菌のHST(AM毒素)生合成遺伝子の存在とAM毒素生成が認められ、本菌はリンゴ斑点落葉病菌であることが明らかとなった。
2.宿主特異的毒素の単離と簡易抽出法の確立
西洋ナシbrown spot病菌の培養ろ液よりHST(SV毒素)の単離を試みた。カラムクロマトグラフィー、TLC、HPLCにより2つの毒素(SV毒素IおよびIIと命名)が単離できた。これらの毒素は高い親水性を示す低分子物質で、構造中にアミノの存在が示唆された。
3.植物の細胞培養と植物培養細胞からの宿主特異的毒素耐性細胞の選抜
トマト褐色輪紋病は栽培品種に広く発生がみられ、抵抗性品種は育成されていない。そこで、昨年に引き続き本菌のHST(CCT毒素) を用いてカルス細胞からの毒素耐性細胞選抜による褐色輪紋病抵抗性トマト品種の作出を試みた。CCT毒素処理でも褐変のみられないカルスが得られたが、これらのカルスから植物体は再生しなかった。一方、トマトアルターナリア茎枯病菌のHST(AAL毒素)では、AAL毒素を解毒する代謝遺伝子が明らかとなっている。そこで、本遺伝子保有バイナリーベクターを導入したAgrobacterium tumefaciensを用いてトマトの形質転換による毒素耐性トマトの作出を試みたが、形質転換体を得るまでには至らなかった。
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[Publications] Akamatsu,H.: "Molecular karyotypes for Alternaria plant pathogens known to produce host-specific toxins"Current Genetics. 35. 647-656 (1999)
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[Publications] Singh,P.: "Purification and biological characterization of host-specific SV-toxins from Stemphylium vesicarium causing brown spot of European pear"Phytopathology. 89. 947-953 (1999)
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[Publications] Otani,H.: "A new type of host-selective toxin,a protein produced from Alternaria brassicicola"Delivery of Pathogen Signals to Plants(Ed.by Keen,N.T.et al),American Phytopathological Society Press,St.Paul,U.S.A.. (in press). (2000)
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[Publications] Singh,P.: "Effects of host-selective SV-toxin from Stemphylium vesicarium,the cause of brown spot of European pear plants,on ultrastructure of leaf cells"Journal of Phytopathology. 147(in press). (2000)
