1999 Fiscal Year Annual Research Report
生物資源由来物質による植物免疫の誘導とその病害防除への応用試験
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10556010
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
道家 紀志 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (80023472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 博文 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (30240245)
川北 一人 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (90186065)
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Keywords | 植物免疫誘導 / 全身獲得抵抗性 / 局部的オキシダティブバースト / 防御応答遺伝子 / 免疫誘導剤 / 全身的オキシダティブバースト / 全身的シグナル機構 / 免疫誘導剤簡易検定法 |
Research Abstract |
3年間計画の2年目の課題として、前年度に明らかにした認識系と非認識系を介した全身的オキシダティブバースト(OXB)誘導剤が発信するシステミックシグナルと全身的OXB系の活性化機構の解析、全身的免疫の誘導に関連する発現遺伝子の解析および生物資源由来の免疫誘導候補因子の検索に関する研究を行い、次の成果を得た。1.認識系および非認識系を介して生じる細胞間伝達シグナルの伝達はOXB応答能が獲得されていないインタクトな組織細胞間でも伝わり、その組織ではCa^<2+>イオノホアによるCa^<2+>の細胞内インフラックスを誘導してもOXB系が活性化しないことを明らかにした。2.OXB応答能のない組織における全身的シグナルの伝達は、細胞外Ca^<2+>のキレート剤およびCa^<2+>チャンネルブロッカーの処理で停止したが、カルモジュリン、タンパク質リン酸化、アクチンなどの細胞内シグナル伝達系に関わる阻害剤では停まらず、細胞膜レベルでのCa^<2+>のインフラックス/エフラックス振動が伝わる可能性を示唆した。3.エリシターと直接応答して局部的OXBを示す組織と、応答性のない組織を隔てた全身的OXBを示す組織から、誘導刺激を与えてから経時的にそれぞれの組織部位で発現する遺伝子をディファレンシャルディスプレー法により検索した。その結果、局部または全身的および両方で早期に発現する10数種の遺伝子をcDNAとしてクローニングし、シークエンスした。また、全身的獲得抵抗性を誘導する機構とそのマーカーとしての価値を検討するための分析試料を作成・保存し、次年度の研究に備えた。4.免疫誘導剤の第一次スクリーニングのために、CCDカメラによる化学発光測定法に加え、高感度ルミノメーターを用いて微少植物組織の全身的活性酸素生成反応を測定する新たな方法を考案し、ルーチン化したスクリーニングシステムへの組み込みを検討した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Y.Miura, H.Yoshioka, H.-J.Park, K.Kawakita and N.Doke: "Plasma membrane perturbation in association with calcium ion movement followed by fungal elicitor-stimulated oxidative burst and defense gene activation in potato tuber"Ann. Phytopath. Soc. Japan. 65・4. 447-453 (1999)
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[Publications] N.Doke, H.-J.Park, S.Katou, H.Komatsubara, T.Makino, S.Ban, H.Yoshioka and K.Kawakita: "The oxidative burst in plants: mechanism and function in induced resistance. In: Delivery of pathogen signals to plants. ed. by N.T.Keen, S.Mayama, L.Leach and S.Tsuyumu."APS Press (印刷中). (2000)