2000 Fiscal Year Annual Research Report
生合成工学に基づく組み換え微生物による抗ウイルス剤の大量生産
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10556024
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
及川 英秋 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (00185175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 英明 キリンビール, 医薬探索研究所, 主任研究員
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Keywords | 抗ウイルス剤 / アフィディコリン / DNAポリメラーゼα / 阻害剤 |
Research Abstract |
最近天然物生合成酵素の遺伝子情報がかなり蓄積され、入手が困難であった生合成に関わる酵素を取り扱うことが可能になってきた。こうした状況をふまえ、限られた基質から多様な骨格が生合成されるテルペンを対象に取り上げ、生合成酵素をすべて発現させることにより、テルペンの酵素的全合成を達成しようと考えた。標的化合物は抗ウイルス剤として知られるジテルペンaphidicolin(ACL)を選んだ。 Aphidicolin生合成において鍵となる環化酵素のクローニングは以下のように行った。糸状菌ジテルペン合成酵素のクローニングの際用いられた縮重プライマーを使い、ACL生産菌から調製したmRNAをテンプレートとしてRT-PCRを行ったところ、既知環化酵素をコードする遺伝子と高い相同性を示す約1.1kbの増幅断片が得られた。増幅されたDNA断片を基に3'-RACEおよび5'-RACE法を用いてcDNA全長の解析を行った。2.8kbのORF全長をブラスミドpGEXを組み込み、大腸菌JM109を形質転換した。こうして得られた形質転換菌の培養菌体から調製した酵素液を用い、GGDPを基質として酵素反応を行ったところ、GC分析において3種の生成物を確認した。合成標品とのGCおよびMSの比較により、生成物を予想したaphidicolan-16β-olおよびaphidicolenesと同定した。以上の結果から今回発現した酵素はaphidicolan-16β-ol合成酵素(ACS)であることを確認した。さらに環化機構を確認するため、syn-CDPを新たに開発した経路より合成し、同様の条件下で酵素反応を行ったところ、酵素反応生成物はほぼ同じGCパターンを示した。これにより3種の環化生成物はSyn-CDPを経由して得られることを直接証明できた。最後の4環性カチオンから生成物への変換は、水分子の攻撃によりaphidicolan-16β-olを与え、15あるい は16位の脱プロトン化でaphidicolenesが形成されると推定された。水分子の攻撃によるカチオンの消去はテルペン生合成では比較的例が少ない。 今回確認されたACSアミノ酸配列はPhaespheria属菌、Gibberella属菌由来ent-kaurene合成酵素同士の相同性(45%)と近い値(36-37%)を示したことからジテルペンの多様な炭素骨格は比較的小さなアミノ酸配列の違いにより生合成されることが推定された。真核細胞では生合成遺伝子がクラスター構造を取ることは希と考えられてきたが、不完全糸状菌では二次代謝産物生合成酵素が染色体上でクラスター構造を取る例が数多く報告されてきている。そこで今回aphidicolin生合成の鍵酵素であるaphidicolan-16β-ol合成酵素が見出されたことから、本酵素をコードするcDNAをプローブとし、環化後修飾を行う酵素遺伝子の特定を検討した。生産菌のゲノムライブラリーから上記遺伝子を含む3個のコロニーを入手することができた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H.Toshima: "Total Synthesis of Both Enantiomers of Copalol via Optical Resolution of a General Synthetic intermediate"Tetrahedron. 56・43. 8443-8450 (2000)
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[Publications] H.Toshima: "Total Synthesis of (+) -Albicanol and (+) -Albicanyl Acetate"Biosci.Biotechnol.Biochem.. (印刷中). (2001)
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[Publications] H.Oikawa: "Diversity of Diterpene Hydrocarbons in Fungus Phoma betae"Tetrahedron Lett.. 42・3. 2329-2332 (2001)