1998 Fiscal Year Annual Research Report
血漿中過酸化脂質のセミミクロ自動一斉分析システムの開発
Project/Area Number |
10556028
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
赤坂 和昭 東北大学, 農学部, 助教授 (10201881)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 裕明 東ソー(株), 科学計測事業部, 技術研究員
大類 洋 東北大学, 農学部, 教授 (20100050)
|
Keywords | 過酸化脂質の一斉分析 / 高速液体クロマトグラフィー / セミミクロ液体クロマトグラフィー / ジフェニル・1・ピレニルホスフィン |
Research Abstract |
本年度は、ジフェニル-1-ピレニルホスフィン(DPPP)を用いたヒドロベルオキシドの高感度ポストカラム検出システムとグラジエント溶出法を組み合わせた遊離脂肪酸、リン脂質、コレステロールエステル、及びトリアシルグリセロールの各ヒドロベルオキシドの一斉分析システムの構築を行った。遊離脂肪酸としてリノール酸とオレイン酸、リン脂質としてホスファチジルコリンジリノレオイルとジオレオイル、コレステロールエステルとしてコレステリルリノレートとオレート、及びトリアシルグリセロールとしてトリリノレインとトリオレインの各モノヒドロペルオキシドを調整し検討を行った。ポストカラム検出法へのグラジエント溶出法の適応上で最大の問題となるベースラインのドリフトの低減と高分離、高感度検出の実現のため、フローインジェクションシステムを併用しながら、各脂質ヒドロベルオキシドの反応性に与える溶媒組成、移動相と試薬溶液の混合比率、及び反応コイル長等の反応条件の影響ついて詳細な検討を行った。これらの結果を基に、ヒドロベルオキシドとDPPPの反応率を上げ相対的なベルライン変動を低減すると同時に、移動相溶液に対する試薬溶液の混合比率を高め、反応溶液組成の変化を可能な限り小さくすることにより、45分以内で各ヒドロペルオキシドを分離し、pmolレベルで検出・定量するシステムを構築することができた。更に、システムのセミミクロ化を行うことにより、感度及び分離をほとんど損なうことなく試薬及び溶媒の使用量をそれぞれ1/5、1/3にすることができ、ランニングコスト、及び廃液の低減化を可能とした。このセミミクロシステムでは、移動相溶液に対する試薬溶液の混台比率を従来サイズのシステムよりも高めることができ、ベースラインドリフトの影響は更に少なくなった。
|