1999 Fiscal Year Annual Research Report
産卵規制物質を利用したマツ材線虫病の新防除技術の開発
Project/Area Number |
10556033
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
富樫 一巳 広島大学, 総合科学部, 教授 (30237060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 計一 広島大学, 総合科学部, 教授 (00238809)
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Keywords | マツノマダラカミキリ / 産卵 / 産卵規制物質 / フラス |
Research Abstract |
マツノマダラカミキリ幼虫の新鮮フラスを湿重あたり10倍量のメタノールに浸漬した。その10-20日後に濾過し,減圧濃縮して軽く乾固した。これをメタノールに溶かし,その0.1gフラス当量をアカマツ小丸太に塗布した。また,対照として同量のメタノールを小丸太に塗布した。これらの小丸太を対にしてマツノマダラカミキリ雌成虫に与えたところ,フラス抽出物を塗布した小丸太への産卵数は有意に少なかった。そこで,メタノール溶液をもう一度軽く乾固してから,ベンゼン,クロロホルム,アセトン,メタノールを順次注ぎ,それらに可溶な成分に分けた。各画分の1gフラス当量を小丸太に塗布して,上述のような生物検定を行った。その結果,ベンゼン可溶画分を塗布した小丸太の産卵数が有意に少なく,その画分に産卵忌避物質が存在することが示された。別の新鮮フラスのメタノール抽出液を上述のように処理して軽く乾固し,ベンゼンに溶かした。ベンゼン可溶画分を軽く乾固し,ヘキサンに溶かした(ヘキサン画分)。次にヘキサン不溶残渣をベンゼンに溶かし,シリカゲル(70-120mesh)を充填したカラムにいれた。これをMacek-Prochazkaの溶媒系列で溶出し,6画分に分けた。合わせて7画分のそれぞれの1gフラス当量を小丸太に塗布して,産卵阻害を調べた。その結果,ヘキサン画分に産卵阻害物質が存在することが示された。
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