1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10556053
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
櫻井 雄二 愛媛大学, 農学部, 教授 (00036427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 創三 東京農工大学, 農学部, 助教授 (30137898)
治多 伸介 愛媛大学, 農学部, 助教授 (60218659)
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Keywords | 環境保全型農地 / 竹炭 / 人工ゼオライト / 比表面積 / 密度 / 細孔特性 / 溶脱 |
Research Abstract |
高生産性を維持しながら環境保全型農業を行うための農地基盤の整備を行う、並びに農村域の竹林を整備するための基礎として、産業廃棄物である石炭灰から生成した人工ゼオライト及び竹炭を用いて、農地土壌の改良資材としての基礎的性質と能力についての研究を行った。 先ず人工ゼオライトと竹炭の理化学性として、密度、比表面積及び細孔分布を求め、竹炭は原材料と焼成温度による影響の把握も行った。次いで、炭カルによって酸性矯正された土壌に竹炭を加えた試料について、純水と酸性液による溶脱特性の把握を試みた。 1.竹炭の密度を液体法と気体法とで求めた結果、両方法とも破砕して粒径が小さいほど密度が大きくなった。また、竹炭の吸着等温線が閉鎖しなかった。これらのことなどから、竹炭は閉鎖間隙か、注入物質(水、Heガス)が侵入できない程の小さい間隙あるいはNガスが毛管凝縮を起こすような間隙をもつことが予測された。2.比表面積はモウソウチクで最も大きく、次いでハチク、マダケの順であり、この順で(比表面積が増すと)細孔径が小さくなった。このように竹の種類によって,比表面積,細孔特性に差異が見られた。3.竹の生成温度の効果は、温度が400℃より500℃の方が比表面積、平均細孔径ともに大きくなり、粘土鉱物での例と異なった。ピーク細孔径は生成温度の影響が現れなかった。4.竹炭を土壌に添加すると、添加しない場合に比して多くのカリウムが溶脱し、その溶脱量の差は酸性液より水の方が大きかった。また、竹炭は緩衝能を示した。5.今後、これらの知見を確定し、さらに竹炭の微細構造観察を加えて、竹炭などによる土壌の酸性矯正、養分保持及び養分供給機構を明らかにしていく。
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