1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10556053
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
櫻井 雄二 愛媛大学, 農学部, 教授 (00036427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 創三 東京農工大学, 農学部, 助教授 (30137898)
治多 伸介 愛媛大学, 農学部, 助教授 (60218659)
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Keywords | 環境保全型農地 / 竹炭 / 比表面積 / 細孔特性 / CEC、AEC / SEM / 土中微生物 |
Research Abstract |
高生産性を維持しながら環境保全型農業を行うための農地基盤の整備、並びに農村域の竹林を整備するための基礎として、竹炭が示す農地土壌の改良資材としての基礎的性質についての研究を行った。 本年度は先ず竹炭の生成法を確立し、生成された各種状態の竹炭についての理化学性を究明した。生成法について、昨年は竹の小片を一つずつ炭化させて竹炭を生成したが、理化学性等の検討に供するため、実験室においてより均質な竹炭を簡便でより多くかつ迅速に生成する方法を、焼成時間、資料の形態、量も含めて検討した。次いで、竹炭の微細構造を走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察した。また、原材料の竹と焼成温度を各々3種類、並びに孟宗竹の内側と外側の部位について、比表面積と細孔分布、CEC、AECなどの理化学性を検討した。竹炭を混合した土を25℃で養生し、土中微生物の活性が促進される可能性も探った。 1.アルミ缶とブンゼンバーナーの組み合わせで、均質な竹炭を作成することができた。 2.SEMによる観察結果は、竹の内側より外側の方が維管束の密度が大きく、その維管束の周辺は細胞が小さい。維管束内部に楕円状の模様が見られた。細胞壁。細胞壁の厚さが、400より600℃の方が薄い。細胞壁はほぼ円形をなし、その内側には直径0.1〜0.5μmほどの細孔が見られたものの、外側には認められなかった。細胞壁、維管束境界面には細孔らしきものは見られなかった。 3.焼成温度が400、500から600℃と上昇するにつれて、比表面積、CECは大きくなった。 4.孟宗竹、真竹、破竹の順に比表面積が小さくなった。逆に、CECは破竹が最も大きく、真竹、孟宗竹の順に小さくなった。平均最孔径は真竹が少し大きかったが、3者とも大きな差異はなかった。 5.土壌微生物については今のところ顕著な傾向を見い出せなかった。
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