2000 Fiscal Year Annual Research Report
脂質蓄積調節酵素・レセプターの免疫化学的制御法の開発と低脂肪食肉生産への応用
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10556060
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Research Institution | TOUHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
秋葉 征夫 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (30005631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀河 博 伊藤忠飼料(株), 総合技術研究部, 部長
田村 啓二 東北大学, 細菌化学研究所, 取締役所長
佐藤 幹 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (20250730)
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Keywords | 脂肪蓄積 / 低脂肪食肉 / モノクローナル抗体 / VLDLレセプター / リポプロテインレセプター / 脂質輸送蛋白質 / 鶏 |
Research Abstract |
家畜の肥満を抑制し、「低脂肪食肉」を安定的に生産するための実用的な免疫化学的方法を開発することを目的として、本年度はVLDLレセプターの抗体作成と肝臓リポプロテインレセプターの検索、鶏血中における脂質転送蛋白質の同定を試みた。 (1)VLDLレセプター(VLDLR)の抗体作成 VLDLRのReceptor associated protein(RAP)結合部位付近の配列(N末端付近)を持つ、リコンビナントGST結合タンパク質を大腸菌で作成し、それを抗原として、抗血清を作成して、脂肪細胞を用いたリポプロテイン取り込み阻害試験を行なった。作成した抗体は、鶏VLDLRを特異的に認識するものの、^<125>I-VLDLの脂肪細胞への取り込み阻害はわずかであった。 (2)肝臓リポプロテインレセプター(LRP)の検索 鶏肝臓cDNAより、RT-PCRおよびハイブリダイゼーション法を用いて、LRPのクローニングを試みたが有効な配列を得ることはできなかった。そこで、コレステロール負荷した鶏のLDL、CaおよびRAP結合タンパク質の変動を検討したところ、100および130kDaにLDLとは結合するもののCaやRAPとは結合しない、これまでのLDL receptor familyとは異なる特異的なタンパク質を検出した。すなわち、鶏LRPは哺乳動物とは同様の考え方ではクローニング・抗体作成が難しいことが示された。 (3)鶏血中における脂質転送蛋白質(LTP)の同定 産卵鶏の成長に伴う血中Cholesterol ester transfer protein(CETP)活性の変動を測定し、鶏LTPの同定を試みた。成長期の鶏では血中CETP活性が高い値を示したものの、産卵開始直前にその活性が急激に低下し、産卵開始後活性が検出限界以下となった。すなわち、鶏にはCETPが存在し、コレステロール代謝に重要な働きをしているものの、鶏の産卵期には、血中CETP活性が低下し、コレステロールの輸送体であるリポプロテイン、特にVLDLの血中における異化作用は抑制されている可能性が示唆された。そこで、鶏CETPをクローニングするために哺乳動物のCETP cDNAをprodeとして、哺乳動物で発現が多いことが知られている肝臓および脂肪組織の鶏cDNA libraryをスクリーニングしたが、ホモログを得ることはできなかった。
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[Publications] Sato,K,Takahashi,T.,Takahashi,Y.,Shiono,H,Katoh,N.and Akiba,Y.: "Preparation of chylomicrons and VLDL with monoacid-rich triacylglycerol and characterization of kinetic parameters in lipoprotein lipase-mediated hydrolysis in chickens."J.Nutr.. 129. 126-131 (1999)
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[Publications] 佐藤幹・秋葉征夫: "鶏脂肪組織リポプロテインリパーゼ反応の種特異性の実証"栄養生理研究会報. 43. 37-55 (1999)