2000 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカイン遺伝子を導入した、ヘルペスウイルスベクターワクチンの開発
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10556061
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大塚 治城 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (80261957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玄 学南 帯広畜産大学, 原虫病分子免疫センター, 助教授 (10292096)
松本 安喜 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (90251420)
松本 芳嗣 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00173922)
岩田 晃 (財)日本生物科学研究所, 研究部, 研究員
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Keywords | Neospora caninum / 寄生原虫 / サイトカイン / インターフェロン / アポトーシス / IFN-γ / CHV / NcRS2 |
Research Abstract |
Neospora caninum(N.caninum)は1988年に発見された細胞内寄生性原虫で、家畜、伴侶動物に感染すると神経麻痺や死の原因となる。特に牛における流産、死産、神経疾患の主な原因の一つとしてN.caninumの感染が挙げられ、畜産業に大きな経済的被害を与えている。N.caninumの終宿主がイヌであることからイヌにおけるN.caninum感染をコントロール出来れば他の中間宿主の感染もコントロール出来るもの考え、本年度の研究においてはサイトカインの一種であるインターフェロン(IFN)のN.caninumに及ぼす作用、イヌヘルペスウイルス(CHV)をベクターとした組み換えワクチンの免疫原性等を調べた。 3種類のイヌIFN(IFN-α,-β,-γ)をクローニングして、in vitroで宿主細胞(イヌ)内のN.caninumの増殖に与える影響を調べた。すべてのINFは虫体の増殖を抑制したが、特にINF-γはその活性が高かった。INF-γにより宿主細胞においてDNAの断片化が見られ、アポトーシスの誘導が確認された。更にアポトーシス誘導下ではN.caninumの増殖が抑制されたことからも、IFN-γは宿主細胞レベルでN.caninumの増殖を制御していることが示唆された。 N.caninumの表面タンパクNcRS2に対する抗体は虫体の細胞侵入を阻害する。終宿主であるイヌを標的を開発するためにCHVをベクターとしてNcRS2遺伝子を組み込んだ組み換えCHVを作出し、イヌに接種らN.caninumに特異的なIgG抗体が産生された。またウイルス接種したイヌは臨床症状を示すことは無くを排出することもなかった。この結果より組み換えCHV接種はイヌにおけるN.caninumの攻撃試験に対が期待される。
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[Publications] Nishikawa,Y. et al. : "Monoclonal antibody inhibition of Neospora caninum tachyzoite invasion into Host cells."International Journal of Parasitology. 30. 51-58 (2000)
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[Publications] Nishikawa,Y. et al: "Expression of canine inerferon-β by a recombinant vaccinia virus."FEBS Letters. 466. 179-182 (2000)
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[Publications] Nishikawa,Y. et al: "Immunisation of dogs with a canine herpesvirus vector expressiong Neospora protein, NcSRS2."International Journal for Parasitology. 30. 1167-1181 (2000)