1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10556064
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
辻 荘一 神戸大学, 農学部, 教授 (10031220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
万年 英之 神戸大学, 農学部, 助手 (20263395)
向井 文雄 神戸大学, 農学部, 教授 (50093323)
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Keywords | 黒毛和種 / ミトコンドリアD-loop / 母系遺伝 / PCR-SSCP / 脂肪交雑 / ロース芯面積 |
Research Abstract |
黒毛和種は我国が誇る唯一の経済的・実用家畜である。その特性は、高品質の牛肉を生産することである。現在までの所、この高品質牛肉を生産する事に関わる原因遺伝子は明らかにされていないが,研究の中心は核遺伝子の検索に置かれている。我々は、もう一つの遺伝子を持つミトコンドリアに注目し,研究を行なっている。黒毛和種はミトコンドリアのD-loopの塩基配列によって、5グループに区分できる。そのうちの1タイプは我国のウシ固有の塩基配列である。5タイプについて,生産形質との関連を見ると,タイプ4が肉質の向上に関連する事が確かめられ、特に28ヶ月齢以下の固体で,効果が認められた。 D-loopは遺伝子のコード領域ではないので、タイプ4のD-loop型と関連する(ハプロタイプを形成する)突然変異が残りのミトコンドリア領域に存在する可能性がある。そこで、タイプ毎に2個体を選び出し、それらについてミトコンドリアの全塩基配列を決定した。その結果、タイプ4に特異的な変異が発見された。それは16SrRNA内での塩基置換であって、タイプ4に共通するもので、他のタイプでは発見されなかった。現在の所、この突然変異がどのような作用を有しているかは明らかではないが、ミトコンドリア蛋白質の合成に何らかの作用を及ぼしている可能性はある。この他、同義的置換が6箇所、非同義的置換が5箇所発見された。これらの塩基置換はこれまで、報告されておらず。特に非同義的置換がどのような生理的な影響を及ぼしているかは興味深い。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Mannnen H.,et al.,: "Effects of mitochondrial DNA Variation on carcass traits of Japanese Black cattle"Journal of Animal Science. 76巻5号. 36-41 (1998)
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[Publications] Mannen H.et al.,: "Mitochondrial DNA Variation and evolution of Japanese Black cattle (Bos taurus)"Genetics. 150巻11号. 1169-1175 (1998)