1999 Fiscal Year Annual Research Report
緑色蛍光蛋白質(GFP)を利用した形質転換動物の効率的作出システムの開発
Project/Area Number |
10556065
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
舟橋 弘晃 岡山大学, 農学部, 助教授 (50284089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青柳 敬人 全国農業協同組合連合会, 飼料畜産中央研究所, グループリーダー(研究職)
岡部 勝 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (30089875)
丹羽 晧二 岡山大学, 農学部, 教授 (40089115)
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Keywords | 牛 / 体外受精 / 核移植 / 形質転換動物 / 緑色蛍光蛋白質 / 初期発生 / 多精子受精 |
Research Abstract |
本年度は、次の準備的な研究を計画・実施した。 (1)GFP遺伝子の発現細胞を用いた核移植での外来遺伝子の発現について 昨年度は、GFP遺伝子を注入後にGFPが発現した細胞を用いて核移植を行い、発生したすべての細胞でGFPが発現していることを確認できたので、本年度は、GFP遺伝子に連結した目的遺伝子が、GFP発現細胞で実際に発現しているか否かを確認するために、昨年度から使用しているpCX-EGFPにMc1-Neo遺伝子を組み込んだものを使用し、牛1-細胞期受精卵の前核に注入した場合の発現率・発生率および発現胚由来細胞を核移植した後の再構築胚における発現率・発生率を調べた。その結果、Mc1-Neo遺伝子を組み込んだpCX-EGFP注入後のGFP遺伝子の発現率は、pCX-EGFP注入胚と比較して低かった。発現細胞を核移植して得た桑実期〜胚盤胞期胚ではすべての細胞がGFPを発現しいることが明らかとなった。また現在、これらの細胞がネオマイシン耐性である否かについて検討するために、これらの細胞を継代培養を行っている。 (2)遺伝子注入受精卵の効率的な体外作出法の開発について 遺伝子注入用の受精卵を効率よく体外で作出するためのシステム開発を実施した。豚卵子は体外で授精すると多精子侵入を高頻度に引き起こす。このことが、豚における遺伝子注入用受精卵作出のための大きな障害となっているので、これを改良することを目的に実験を実施した。その結果、牛や豚の体外受精系で体外受精系で用いられているカフェインには、豚精子の受精能獲得および自発的先体反応を促進する効果があり、これをアデノシンおよび受精促進ペフチドに置換えると豚卵子への精子侵入は促進するが、多精子侵入を顕著に抑制出来ることを明らかにした。 (3)GFP発現胚細胞の核移植胚の移植および発現胚細胞の継代培養について 上記の実験で、注入した遺伝子の発現している胚細胞を選択的に核移植に初期発生胚が得られたので、受精卵移植を計画したが、受卵牛の状態など種々の事情から実施できず、発現細胞由来核移植胚を直接または継代培養後に凍結保存に供し、保存した。
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