緑色蛍光蛋白質(GFP)を利用した形質転換動物の効率的システムの開発

2000 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 10556065
• Research Institution: Okayama University
• Principal Investigator: 舟橋 弘晃 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (50284089)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 青柳 敬人 全国農業協同組合連合会, 飼料畜産中央研究所ETセンター, 所長代決(研究職) ; 岡部 勝 大阪大学, 遺伝子情報実験施設, 教授 (30089875) ; 丹羽 晧二 岡山大学, 農学部, 教授 (40089115)
• Keywords: 牛 / 体外受精 / 核移植 / 形質転換動物 / 緑色蛍光蛋白質 / 初期発生 / 豚 / 体外受精

Research Abstract

GFP遺伝子およびその他の目的遺伝子(ネオマイシン耐性遺伝子)を含む遺伝子断片を牛体外受精卵の前核に注入し、得られた桑実期〜胚盤胞期にあるGFP発現胚の細胞を極体と染色体を除去した体外成熟卵子に核移植した。その後、得られた桑実期〜胚盤胞期胚を繊維芽細胞上で継代培養した。得られた核移植胚の総ての細胞でGFPが発現しており、また目的とする遺伝子由来の形質の発現(ネオマイシンに対して耐性であった)も同様に確認することが出来た。以上の結果から、GFP遺伝子をマーカー遺伝子として使用し、かつ核移植技術を巧みに組み合わせることによって、遺伝子を顕微注入された牛体外受精卵から効率的にトランスジェニック動物(細胞)を生産できるシステムを構築することが出来た。
また、遺伝子注入を行うための材料である前核期受精卵を体外で効率的に作成するための基礎実験として、豚体外成熟卵子を用いて種々の実験を行った。まず、豚精子の運動性に着目して実験を行い、運動性の低い精子も卵子侵入に関与しうることを明らかにして、運動性の高い精子のみが卵子に到達できる体外受精系を開発した。また、豚精子の受精能獲得および先体反応の調節に関与するペプチドを利用して、受精時の多精子受精の頻度を抑える体外受精システムを構築した。さらに、このペプチドは、2種類のレセプターを介してアデニル酸シクラーゼ系を調節し、結果的に豚精子の受精能獲得および先体反応を調節していることを明らかにした。

Research Products

• [Publications] Hiroaki FUNAHASHI: "Modulation of the function of boar spermatozoa via adenosine and fertilization promoting peptide receptors reduce the incidence of polyspermic penetration into porcine oocytes"Biology of Reproduction. 63. 1157-1163 (2000)
• [Publications] Hiroaki FUNAHASHI: "Sperm selection by a climbing-over-a-wall IVF method reduces the incidence of polyspermic penetration of porcine oocytes"Journal of Reproduction and Development. 46. 319-324 (2000)