1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10556066
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
小久江 栄一 東京農工大学, 農学部, 教授 (50014965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
取出 恭彦 味の素株式会社, 飼料部, 課長
谷川 学 中外製薬株式会社, エスエルエー研究所, 部長
加茂前 秀夫 東京農工大学, 農学部, 助教授 (60262226)
下田 実 東京農工大学, 農学部, 助教授 (50154323)
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Keywords | 活性葉酸 / 合成葉酸 / 還元型葉酸 / 母豚繁殖効率 / 菌体粉末 / 生存胎子数 / 排卵数 / 胎子重量 |
Research Abstract |
母豚に飼料添加投与している合成葉酸は豚での利用性が悪く、代替えに活性葉酸(還元型葉酸)を飼料添加投与したところ、母豚の繁殖効率が向上することが生産の現場で明らかにされた。その作用機序につき、本プロジェクトでは現在3つの研究が進行中であるが、ここでは結果が出始めたそのうちの一つにつき以下に記す。 結果:経産母豚(2産目)26頭を活性葉酸投与群(以下RF群:10頭)、合成葉酸投与群(FA群:7頭)、対照群(以下CO群:9頭)の3群に分けた。交配後40日で母豚を屠殺し、胚を子宮から回収しその生死、排卵数、胎子重量などを検査した。活性葉酸群には還元型葉酸を高濃度に含む菌体粉末(味の素リッターメートル)を用いた。結果を以下に示す。(平均±標準偏差)。 [排卵数]RF群:17.4±2.15、FA群:16.7±2.06、CO群:16.00±3.00 [生存胎子数]RF群:12.00±2.21、FA群:11.86±2.41、CO群:10.00±3.08 [胎子生存率%]RF:72.62±14.77、FA群:67.99±10.62、CO群:64.73±22.33 [胎子乾重量gm]RF:2.08±0.28、FA群:2.01±0.45、CO群:1.87±0.21 考察とまとめ:交配40日目はほぼ子宮内で胎子の器官形成が終了した時期である。葉酸はDNA合成の補酵素で、この器官形成期に最も多く必要と考えられるのでこの時期での屠殺試験を行った。結果から分かるように、活性葉酸投与(RF)群では、排卵数、胎子生存数、生存率、胎子乾重量いずれも他の群よりも大きい値を示した。 従って、活性葉酸の繁殖効率改善効果の原因として、器官形成期での胎子の生存率を向上させること、母豚の排卵数を増加させることが可能性として挙げられる。
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