1998 Fiscal Year Annual Research Report
植物発現系によるサイトカイン製剤の開発と家畜疾病制御への応用
Project/Area Number |
10556067
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
杉本 千尋 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (90231373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 健 (株)北海道グリーンバイオ研究所, 研究員
上田 一郎 北海道大学, 農学部, 教授 (10113523)
大橋 和彦 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助手 (90250498)
小沼 操 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (70109510)
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Keywords | サイトカイン / 形質転換植物 / 植物ウイルスベクター |
Research Abstract |
本研究の目的は植物発現系で活性のある動物生理活性蛋白質を発現させ、その活用の道を開発することにある。そこで植物形質転換技術と植物ウイルスベクター系により外来遺伝子の植物での発現を試みた。 まず、アグロバクテリウムによる形質転換技術により人インターフェロン(INF)α2bcDNAをジャガイモに導入した。薬剤耐性獲得個体48個体について、導入遺伝子の発現をノーザンブロットおよび抗INFモノクローナル抗体による酵素抗体法により確認した結果、12個体での発現が確認できた。水疱性口内炎ウイルスに対する感染阻止能を指標にした生物活性は検出できなかった。今回数個体の形質転換体が得られたが、いずれの個体でも酵素抗体法で測定した発現量は約100国際単位/gであり、生物活性証明に十分な発現レベルに達しなかったこと、植物中の非特異的細胞障害物質を除去する過程での活性の消失などが考えられた。 クローバー葉脈黄化ウイルスゲノムに対するcDNAを、35S植物転写用プローモーターの下流に連結して、感染性を保持する大腸菌プラスミドをpCIYVVとして植物ウイルス発現ベクターとし構築した。このベクターにGreen Fluorescent Protein (GFP)遺伝子を組み込み、植物に導入したところ、GFPによる蛍光が確認され、機能を保持した産物が植物体内で発現できることが確認できた。したがって、本ベクターを植物での外来遺伝子発現系に活用する系が確立できた。
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