1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10556068
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
昆 泰寛 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (10178402)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩永 敏彦 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (10160128)
遠藤 大二 酪農学園大学, 獣医学部, 助教授 (40168828)
|
Keywords | アポトーシス / MRLマウス / 減数分裂 / 疾患モデルマウス / 精巣 / Differential display / DNAシーケンス / マイクロダイゼクション |
Research Abstract |
本研究は組織切片上から異常な細胞群を形態学的に観察し、その細胞内ゲノム遺伝子あるいはメッセージを直接採取しDNAシーケンスすることによって病態をより迅速に判定しうるシステムを確立することにある。本年度はこれらの方法を利用する疾患モデルとして、レニンノックアウトマウス、糖転移酵素トランスジェニックマウス、先天的白内障モデルマウス、精巣内減数分裂異常マウス、雄性不妊マウスなどの形態解析を主に行い、マイクロダイセクションの利用価値の高い組織の検索に努めた。特に、減数分裂M期特異的に細胞死の出現するMRLマウスについて興味ある所見が得られた。 精子形成過程における減数分裂M期(MI,MII)のうち、アポトーシス像はMI期に集中していた。この変化は減数分裂の紡錘糸形成後に始まっていた。腹腔内停留精巣術を施しMRLマウスとC57BL/6マウスとを比較したところ、術後2週までにC57BL/6の精巣重量はほぼ半減したのに対し、MRLマウスのそれは術後3週においてもコントロールの70%前後で推移した。形態学的にはMRLマウスで多くの精祖細胞が残存していた。さらに、MRLマウス精巣では生後発達の一時期卵細胞が形成されていた。これらのことから、MRLマウス精祖細胞が熱耐性で、減数分裂中期チェックポイント完成前は卵細胞へと分化し、チェックポイント完成後は精母細胞のアポトーシス像として観察されるものと考えられた。この熱耐性精祖細胞に特異的に発現してくる遺伝子を同定するため、MRLマウスとC57BL/6マウス精巣cDNAを用いてdifferential display法を行ったところ、いくつかの既知ならびに未知遺伝子クローンを検出することに成功した。今後、MRLマウス精祖細胞の遺伝子分離にマイクロダイセクション法を利用したい。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Ishida, J.: "Expression and characterization of mouse angiotensin II type la receptor tagging hemagglutinin epitope in cultured cells"International Journal of Molecular Medicine. 3・3. 263-270 (1999)
-
[Publications] Kon, Y.: "Metaphase-specific cell death in meiotic spermatocytes in mice"Cell and Tissue Research. 296・2. 359-369 (1999)
-
[Publications] Kon, Y.: "Expression of angiotensinogen in the uterus induced by coagulating gland renin in mice"Anatomia Histologia Embryologia. 28・2. 119-124 (1999)
-
[Publications] Kon, Y.: "Renin in exocrine glands of variable mouse strains"Anatomia Histologia Embryologia. 28・4. 239-242 (1999)
-
[Publications] Kon, Y.: "Comparative study of renin-containing cells. Histological approaches"Journal of Veterinary Medical Science. 61・10. 1075-1086 (1999)
-
[Publications] Kon, Y.: "Expression of protein gene product 9.5, a neuronal ubiquitin C-terminal hydrolase, and its developing change in Sertoli cells of mouse testis"Molecular Reproduction and Development. 54・4. 333-341 (1999)