1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10556076
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
松村 昭治 東京農工大学, 農学部, 助教授 (20107171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本林 隆 東京農工大学, 農学部, 助手 (20262230)
寺岡 徹 東京農工大学, 農学部, 助教授 (60163903)
坂上 寛一 東京農工大学, 農学部, 教授 (10014961)
塩谷 哲夫 東京農工大学, 農学部, 教授 (60226107)
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Keywords | 堆肥 / 耕うん / 窒素の無機化 / 硝酸溶脱 / コムギ収量 / ダイズ収量 |
Research Abstract |
当該試験圃場〔処理:(堆肥または化学肥料)×(耕耘または減耕耘)×(農薬散布または無散布)〕いおいて,1997年11月播種のコムギを1998年6月に収穫し,その後作にダイズを栽培した.コムギの収量が最も高かったのは化学肥料・耕耘・農薬散布区であった.化学肥料区の収量は堆肥に比べ有意に高く,堆肥の肥効(とくに窒素)に問題があることが再確認された.しかし,耕耘および農薬散布の処理の影響は明らかではなかった. ダイズでは化学肥料区よりも堆肥区で収量が高い傾向がみられた.化学肥料の施用が土壌中の無機態窒素濃度を高めて根粒の着生を抑制するのに対し,堆肥施用は根粒着生を抑制しない.また,堆肥中にはCa,Mgなどの陽イオンが多く含まれ,土壌pHの低下を引き起こさないことは根粒着生を促進する方向に働く.そのために,根粒着生数は堆肥区で有意に多くなり,ダイズに対する窒素供給条件が改善されたと考えられた. ライシメーター試験結果によると,浸透水量は化学肥料区よりも堆肥区で有意に多く,また,耕耘区よりも減耕耘区で有意に多くなった.浸透水中の窒素(大部分が硝酸態)濃度は処理区間で大差がなかったため,窒素の溶脱量は浸透水量に比例していた.この結果はこれまでと同様であった.堆肥施用により土壌の団粒化が促進されることがわかっており,そのために浸透水量が多くなったと推測される.堆肥の施用が硝酸態窒素の溶脱を多くするという結果は,今後,廃棄物堆肥の利用を進めるにあたって大きな問題になろう. コムギ栽培において堆肥の肥効が不良であることがわかったため,堆肥中窒素の無機化パターンを明らかにすることを目的として,数種堆肥を供試して室内培養実験を行った.その結果,圃場に施用した牛糞オガクズ堆肥は施用後約2ヶ月頃からC/Nの高い有機物の分解が始まり,窒素肌餓を引き起こすことが明らかになった.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Matsumura,S.& Witjaksono,G.: "Modification of the Cataldo Method for the Determination of Nitrate in Soil Extracts by Potassium Chloride." Soil Science and Plant Nutrition. 45(1). 231-236 (1999)
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[Publications] Matsumura,S.& Witjaksono,G.: "Tillage Method and Soil Fertilization Effects on Crop Yield and Nitrate Leaching." Acta.Horticulture. (in press). (1999)