2000 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子操作による病態モデルマウスから自律神経活動測定システムの開発
Project/Area Number |
10557009
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
河南 洋 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (00049058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑木 共之 千葉大学, 医学部, 講師 (80205260)
國武 孝人 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (20234461)
花森 隆充 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (20041858)
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Keywords | 自由行動・意識下実験 / マウス / 心血管系反応 / 動脈圧受容器反射 / 神経ペプチド / ニューロメジン / グレニン |
Research Abstract |
遺伝子操作された病態モデル動物を用いた研究が今日隆盛を極めている。これらの研究より種々な調節機能分子の役割の解明が進んでいる。これまでのところ遺伝子操作動物はほとんど技術的理由からマウスに限られている。しかし特に生理的機能解析にはマウスは小さく障害になっている。自律神経系活動評価には生理学的方法以外にも生化学的や薬理学的方法もある。しかし時間分解能と感度的には直接神経活動を記録するneurogram法が優れている。ただ技術を要し、長時間安定して記録すること、また記録可能な神経が限定されていることなどの欠点がある。 麻酔下マウスの腎交感神経活動(RSNA)は記録可能であるが自由行動・意識下状態での記録には未だ至っていない。今後も記録法の改善に取り組む。しかし動機づけ行動(摂食行動や飲水行動)、心血管系パラメータ(血圧や心拍)の長期記録は可能となった。 1マウス用代謝ケージの作成:自由行動・意識下のマウスから長期にわたり血圧・心泊を測定することが出来るコンピュータ制御ケージを作成した。 2マウスの動脈圧受容器反射の評価法:薬理学的(フェニレフリン、ニトロプルシド)に血圧を其々上昇と低下させ、その時現れる心拍の変化から血圧-心拍間隔曲線を作成し、そのスロープから利得を推定した。これを元に遺伝的多飲マウスと比較検討する予定である。 3新規ペプチドであるグレニンとニューロメジンU(NMU)のマウス脳室内投与の血圧と心拍数に対する効果を調べた。グレニンは不穏行動を誘起し、その時現れる心血管系の変化は変動が大きく行動に伴う非特異的なものと考えられた。一方、NMUは用量依存的に血圧上昇と心拍数増加を誘起した。同様な効果はラットでも確認され、血液中ノルアドレナリン濃度も増加した。従って中枢性NMUは交感神経活動を亢進させることが示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ueta,Y. et al.: "Activation of gastric afferents increases noradrenaline release in the paraventricular nucleus and plasma oxytocin level."J.Auton.Nerv.Syst.. 78. 69-76 (2000)
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[Publications] Ishizuka,Y. et al.: "Differential profiles of nitric oxide and norepinephrine releases in the paraventricular nucleus region in response to mild footshock in rats."Brain Res.. 862. 17-25 (2000)
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[Publications] Ishizuka,Y. et al.: "GABA_A and GABA_B receptors modulating basal and footshock-induced nitric oxide releases in rat prefrontal cortex."Brain Res.. 872. 266-270 (2000)
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[Publications] Jin,Q.-H. et al.: "Increase in norepinephrine but not nitric oxide metabolite levels in the hypothalamic paraventricular nucleus region in response to air jet and swing rotation in freely moving conscious rats."Brain Res.. 876. 205-210 (2000)
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[Publications] Todaka,K. et al.: "Fos expression in neurons immunoreactive for neuronal nitric oxide synthase in the rat paraventricular nucleus after intraperitoneal injection of interleukin-1β."Neurosci.Res.. 38. 321-324 (2000)
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[Publications] Kunitake,T. et al.: "Discharge pattern of renal sympathetic nerve activity in the conscious rat : spectral analysis of integrated activity."J.Neurophysiol.. 84. 2859-2867 (2000)