1999 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子改変マウスを用いたヒスタミンの新規生理作用の発見と病態モデル作成への応用
Project/Area Number |
10557010
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大津 浩 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (60250742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 昇 三菱化学株式会社, 総合研究所, 主任研究員
市川 厚 京都大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (10025695)
渡邉 建彦 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70028356)
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Keywords | ヒスタミン / トランスジェニックマウス / ヒスチジン脱炭酸酵素 / ノックアウトマウス / アレルギー反応 / 行動 |
Research Abstract |
1) 私たちはHDC遺伝子ノックアウトマウスの製作を手がけ、マウスを完成している.このマウスは全身のヒスタミンを欠如し,ヒスタミン欠如モデルとして有用である. 2) 現在,表現型を解析中であり,行動,アレルギー反応,炎症反応などに興味深い現象が見つかってきている. 3) 例えば,ノックアウトマウスでは皮膚の即時型アレルギー反応において,エバンスブルーという色素を前処置していた所,ワイルドタイプにみられる漏出反応がまったく見られなくなる.さらに,ヒスタミンを外側から食餌性に補充したマウスにおいて,消失していた漏出反応が再現された.このことから,即時型アレルギー反応における血管漏出反応は,ヒスタミンによってコントロールされている事が判明した. 4) 全身性のアナフィラキシー反応などに大きく抑制がかかる. 5) 昼夜の運動量もヒスタミンによってコントロールされていることが判明した. 6) また,感染に対する態度もノックアウトとワイルドタイプに差がみられ,現在,投稿論文を準備中である. 7) 発がんや浸潤・転移にも異常がおこる可能性が高いことが判明した. 具体的には,紫外線照射による発がん態度や,培養がん細胞の接種による浸潤・転移が深く関係していることが判明した.
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