1998 Fiscal Year Annual Research Report
一過性発現クローニングによるシグナル伝達分子の検索法の開発
Project/Area Number |
10557038
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
吉村 昭彦 久留米大学, 分子生命科学研究所, 教授 (90182815)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安川 秀雄 久留米大学, 分子生命科学研究所, 助手 (60289361)
大坪 素秋 久留米大学, 分子生命科学研究所, 助手 (10211799)
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Keywords | JAK / STAT / CIS / SH2ドメイン / サイトカイン / シグナル伝達 / チロシンキナーゼ / APS |
Research Abstract |
本研究ではサイトカインのシグナルを調節する分子を検索することを最大の目的としている。我々は,多くのサイトカインによって共通に転写誘導される遺伝子としてSH2ドメインを.有する新規遺伝子CIS-(cytqkinie inducible SH2-protein)を、酵母two-hybrid systemによってJAK2のキナーゼドメインと直接結合しそのキナーゼ活性を抑制する分子JAB(JAK-binding protein)を見い出した。JABは構造的にCISに類似しておりデータベース検索の結果CISファミリーの存在が明らかとなり現在7つの遺伝.子をクローニングした。これらの.うちJABとCIS3はJAK2のチロシンキナーゼドメインに直接結合し、その活性を抑制することを.見い出した。いくつかのサイトカインを調べたところほとんどあらゆる細胞でJABはインターフェロンγによって強く誘導され、インターフェロンシグナルの調節に関与することが示唆された。.いくつかのインタフフェロン耐性株ではJABの高発現がみられ、臨床的にも興味ある知見と考えられる。さらにc-kitに結合する・新たなアダプター分子APS(adaptor containing PHand SH2 domians)を単離した。APSは293細胞ではJAK2でもりん酸化されることを確語した。興味深いことに本遺伝子はT細胞受容体を介してりん酸化されるLnk,チロシンリん酸イヒされたITAMモチーフと結合するSH2-Bと相同性ガが高く、新たなアダプター分子ファミリーを形成することを明かにした。APSの機能を明らかにするためにNIH-3T3繊維・芽細胞とエリスロポエチン受容体を発現させた.Ba/F3細胞にAPSを安定に発現させたトランスフォーマントを作成した。その結果APSは単独でPDGFによる.細胞増殖やエリスロポエチンによるSTAT5の活性化を抑制した。しかしその効果はがん遺伝子産物c-Cblを同時に発現すると著しく上昇した。我々.はAP5のC末端がりん酸化されそこにc-Cblが結合すること、このりん酸化が起こらない変異体では抑制効果がないことを見い出した。すなわちAPSはc-Cblと結合しチロシン-キナーゼを負に制御する役割があることが示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yasukawa H,et al.: "The JAK-Binding Protein JAB Inhibits Janus Tyrosine Kinase Activity Through Binding in the Activation Loop." EMBO J.18,5. 1309-1320 (1999)
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[Publications] Wakioka T,et al.: "APS an Adaptor Protein Containing PH and SH2 Domains Inhibits the JAK-STAT Pathway in Collaboration with c-Chl" Leukemia. in press. (1999)
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[Publications] Yokouchi M.et al.: "APS, an adaptor protein containing PH and SH2 domains, is associated with the PDGF receptor and c-Cbl and inhibits PDGF induced mitogenesis." Oncogene. 18,3. 759-767 (1999)
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[Publications] Tanimura S,et al.: "MDM2 interacts with MDMX through their RING finger domains." FEBS Lett.in press. (1999)
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[Publications] Sakamoto H,et al.: "A Janus kinase inhibitor,JAB, is an interferon-γ-inducible gene and confers resistance to interferons." Blood. 92,5. 1668-1676 (1998)
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[Publications] Misawa H,et al.: "Cloning and characterization of a novel class II phsophoinositide 3-kinase containing C2 domain." Biochem.Biophys.Res.Commun.244,2. 531-539 (1998)