1999 Fiscal Year Annual Research Report
末梢血行動態無侵襲計測システムの開発と健康管理への応用
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10557044
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Research Institution | THE UNIVERSITY OF TOKUSHIMA |
Principal Investigator |
中村 秀喜 徳島大学, 医学部, 助教授 (70172426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 以徂子 徳島大学, 医学部, 教務員
中堀 豊 徳島大学, 医学部, 教授 (10172389)
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Keywords | 末梢血行動態 / 無侵襲計測 / 血管弾性 / 健康管理 |
Research Abstract |
末梢血管レベルでの動脈硬化や加齢による血管弾性の変化の定量的評価および末梢の血行動態を指標とした物理的環境刺激の生体影響の客観的総合的評価を可能とするような計測システムを確立するため、計測システムの製作および測定に関する基礎実験を実施した。 まず、二波長のLEDとフォトダイオードを使用した従来の血液量センサーを改良し、指など末梢において加圧用荷重の圧を増減しながら、そのセンサーからの信号を組織SO_2・Hbモニター(改良型)により計測するためのシステムを構成した。具体的には、全血液に関係する800nmなどの2波長の発光ダイオード(LED)を使用した血液量センサーの改良を行い、指など末梢血管レベルで血液量の定量的評価を可能とした。 また、末梢血管床の弾性の計測についての基礎的検討では、カフを装着した圧迫(血圧測定の原理)とは根本的に異なる発想で、荷重変化に対する末梢血管床の応答を定量的に評価することにより、血管床の弾性特性の定量計測に可能とした。 さらに、末梢用カフを指の基節部に装着しカフ圧コントローラーで圧を制御しながら末梢部で血液量、弾性特性以外の末梢血圧、組織血流量、末梢血管抵抗、組織代謝指標(酸素飽和度、末梢組織酸素消費量など)の同時計測あるいは短時間内の計測を可能とした。 臨床診断やスクリーニングへの応用に供するために健常人を対象とした末梢血管床の弾性特性計測を中心に基礎的検討を行った。 その結果、血圧測定時の脈波AC成分からの最高血圧、平均血圧の特定だけでなく、脈波DC成分の観察を通じて、最高血圧、平均血圧、最低血圧、毛細血管圧、静脈圧といった血行力学的なターニングポイントで圧-容積関係が変わっていくという血管固有の非線形特性に関する新たな知見が得られた。この結果を手がかりに、今後加齢に伴う動脈硬化性変化等の客観的評価法を具体化していく。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kuroki Y,et al.: "Spermatogenic ability is different among males in different Y chromosome lineage"Journal of Human Genetics. 44. 289-292 (1999)
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[Publications] Shinka T,et al.: "Genetic variation on the Y chromosome in the Japanese population and the implications for modern human Y chromosome lineage"Journal of Human Genetics. 44. 245-250 (1999)
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[Publications] 中村 秀喜 他: "農村地区における医療機関受診者のライフスタイルと行動変容-徳島県西部での調査から価-"日本農村医学界雑誌. 48・4. 659-659 (1999)