1999 Fiscal Year Annual Research Report
FGF-9の培養神経細胞に対する効果:難治性神経変性疾患治療へのアプローチ
Project/Area Number |
10557060
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
神田 隆 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (40204797)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 和彦 東京都精神研, 超微形態部門, 副参事研究員 (30124663)
|
Keywords | FGF-9 / アルツハイマー病 / 大脳基底野ニューロン / 血液脳関門 / NGF / autocrine / paracrine |
Research Abstract |
FGF-9の大脳基底野ニューロンに対する効果がさらに明らかになった。NGFとの相乗効果はほぼコリンアセチルトランスフェラーゼ活性増強効果にとどまるが、FGF-9単独あるいはNGF単独で処理した培養細胞のコリンアセチルトランスフェラーゼ活性の和よりもさらに高い値を得、FGF-9がNGFとは異なったメカニズムで大脳基底野ニューロンに効果を示すことが考えられた。前年度の検索でラット大脳基底野ニューロンはin vivoでFGF-9のmRNAを発現し、抗FGF-9抗体で染色されることを明らかにしたが、今年度は培養細胞によって(1)最も効果的なFGF-9の濃度は100ng/mlで、これはin vivoの濃度としては極端に高い値であること、(2)培養大脳基底野ニューロンはFGF-9mRNAを発現していること、(3)培養皿中に抗FGF-9ブロッキング抗体を添加することで有意にコリンアセチルトランスフェラーゼ活性が低下することを証明し、この結果、FGF-9はautocrine/paracrineのメカニズムで大脳基底野ニューロンに対して栄養因子効果を示しているものと結論した。上記の成果は現在欧文誌に投稿中である。 125Iにて標識したFGF-9は、ポリカーボネート膜と培養脳毛細血管由来内皮細胞からなる血液脳関門(BBB)モデルをほとんど通過しない。このため、BBB通過のための手段として(1)ポリアミン、(2)抗トランスフェリン抗体、との結合を試み、現時点では前者との結合が確認されている。
|
-
[Publications] Iwasaki T, Kanda T, Mizusawa H: "Effects of pericytes and various cytokines on integrity of endoneurial monolaver originated from blood-nerve barrier: an in vitro study"Journal of Medical and Dental Sciences. 46(1). 31-40 (1999)
-
[Publications] Kanda T, Yamawaki M, Iwasaki T, Mizusawa H: "Glycospphingolipid antibodies and blood-nerve barrier in autoimmune demvelinative neuropathy"Neurology. 54(3). in press (2000)
-
[Publications] 岩崎孝之、神田 隆、水澤英洋: "in vitro モデルをもちいた血液脳関門及び血液神経関門の研究."脳の科学. 21. 553-556 (1999)
-
[Publications] Kanda T, Iwasaki T, Nakamura S, Ueki A, Kurokawa T et al.: "FGF-9 is an autocrine/paracrine neurotrophic substance for spinal motoneurons."International Journal of Developmental Neuroscience. 17(3). 191-200 (1999)