1998 Fiscal Year Annual Research Report
ビタミンE転移蛋白遺伝子に点変異を有する脊髄小脳変性症・網膜色素変性症の発症機序
Project/Area Number |
10557064
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute for Neuroscience |
Principal Investigator |
内原 俊記 (財)東京都神経科学総合研究所, 神経病理学研究部門, 主任研究員 (10223570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 隆徳 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (90231688)
井上 圭三 東京大学, 薬学部, 教授 (30072937)
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Keywords | ビタミンE転移蛋白 / プルキンエ細胞 / ビタミンE欠乏 |
Research Abstract |
αTTP遺伝子の点変異を有する家系より世界初の剖検例が得られ、病態を多角的に解析中である。二次的ビタミンE欠乏症で報告された脊髄後索と網膜の病変に加えて、小脳プルキンエ細胞の脱落が軽度ながら見られた点に注目して検索を進めている。実験的に作られたビタミンE欠乏ラットの予備的な観察では、Purkinje細胞に軽微ながら変化が認められた。また東京大学薬学部で樹立されたαTTP knock out mouseの形態変化を観察する準備を始め、ビタミンE欠乏と遺伝子異常によりおこる中枢神経病変にどのような差があるのか、剖検例を含めて比較検討を始める段階にある。またαTTPの生理的役割を同定するため、αTTPに対する抗体を複数作製し、その局在を中枢神経系を中心に解析中であるが、抗体の種類により所見が一定せずさらに検討を要する。剖検例の解析と実験動物での所見を比較しαTTPの役割を照らし合わせて研究を進めていくことで、本疾患の理解がより意義深いものとなる。臨床病理所見に立脚し、治療法の開発に結びつく所見を提供できるものと思われる。
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