1999 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍と正常細胞の放射線/抗癌剤感受性・アポトーシス・増殖能の総合的予知法の開発
Project/Area Number |
10557087
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
芝本 雄太 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (20144719)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮武 伸一 京都大学, 大学院・医学研究科, 講師 (90209916)
池 修 京都大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (40252514)
笹井 啓資 京都大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (20225858)
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Keywords | 感受性試験 / アポトーシス / 微小核形成試験 |
Research Abstract |
細胞分裂阻害微小核形成試験を種々のヒト腫瘍に応用し、各々の腫瘍細胞の分裂細胞分画、潜在的倍加時間と放射線照射後の微小核発生頻度を評価した。今年度は特に脳腫瘍について重点的に検討した。手術時に得た腫瘍片を単離細胞とし、一部の照射後サイトカラシンBを加えて培養した。その後経時的に多核細胞の割合(その最大値が分裂細胞分画)、一個の細胞あたりの平均核数と二核細胞における微小核の頻度を計測した。潜在的倍加時間は核/細胞比が外挿によって2になる培養時間である。これまで計133個の腫瘍のうち、分裂細胞分画と潜在的倍加時間は78%、微小核発生頻度は70%において評価可能であった。分裂細胞分画と潜在的倍加時間の中央値は、神経膠芽腫において20%、10日、肺癌脳転移において21%、11日、乳癌脳転移において27%、8.5日、髄膜腫において8.2%、53日であり、悪性度による差が明らかであった。2Gy照射後の微小核発生頻度から0Gyの値を引いた値は、神経膠芽腫0.17、肺癌脳転移0.16、乳癌脳転移0.16、髄膜腫0.08であった。これらの結果は髄膜腫の放射線低感受性を示唆するものであったが、神経膠芽腫の放射線抵抗性とは必ずしも一致しなかった。照射後の微小核発生頻度は、分裂細胞分画および0GTの微小核発生頻度と相関があった。微小核発生頻度の臨床的意義は今後の研究で明らかにするべきものであるが、この方法で求めた分裂細胞分画と潜在的倍加時間は腫瘍の増殖能の良い指標であると考えられた。またヒト繊維肉腫由来のHT-1080の2つのクローンを用いた基礎実験を施行した。2つのクローンは照射後の細胞生存率はほぼ同じであったが、DNA量が多いクローンのほうがより多くの微小核を生成した。したがって微小核発生頻度の評価において、DNA量による補正も考慮に入れることを検討すべきであることが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Shibamoto Y. 他: "Long-term control of multiple lung metastases from osteosarcoma obtained by conventional radiotherapy: a case report"Oncology Reports. 6・5. 1085-1087 (1999)
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[Publications] Jeremic B.,Shibamoto Y. 他: "Role of radiation therapy in the combined-modality treatment of patients with extensive disease small-cell lung cancer: a randomized study"Journal of Clinical Oncology. 17・7. 2092-2099 (1999)
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[Publications] Guo GZ.,Sasai K. 他: "A significant correlation between clonogenic radiosensitivity and the simultaneous assessment of micronudeus and apoptotic cell frequencies"International Journal of Radiation Biology. 75・7. 857-864 (1999)