1999 Fiscal Year Annual Research Report
概日リズム障害を伴う疾患での生体時計関連遺伝子の解析、及び治療法の開発
Project/Area Number |
10557089
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
海老澤 尚 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (00201369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩瀬 利郎 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (80306307)
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Keywords | 概日リズム / メラトニン受容体 / 点突然変異 / 時計遺伝子 / 睡眠覚醒障害 |
Research Abstract |
睡眠相後退症候群(DSPS)43例、非24時間睡眠覚醒症候群(N-24)22例、不規則型睡眠覚醒パターン1例の計66例の睡眠覚醒障害患者及び正常ボランティア67名より静脈血を採取し、ゲノムDNAを抽出し、SSCP法及びPCR産物の直接シーケンス法によってメラトニン1a受容体、1b受容体の遺伝子変異を検索した。その結果、1a受容体からはR54W,A157Vの2種類、1b受容体からはG24E,L66Fの2種類、計4種類のmissense mutation(アミノ酸配列の置換を伴う核酸配列の変異)を見出した。1a受容体のR54W,1b受容体のG24E,L66F変異はそれぞれnon-conservativeな変異であり、特にR54Wは現在までに単離されたメラトニン受容体遺伝子の全てに共通するアミノ酸に関する変異だった。1a受容体のR54W変異はコントロール群に比べ、N-24群で約3倍の頻度で見出された。それぞれの変異を持つ受容体を培養細胞に発現させ、受容体機能に変化が生じるか調べたところ、R54W変異を導入した1a受容体では受容体発現量が3分の1に減少し、メラトニンへの親和性が上昇していた。これらの結果により、N-24の一部にメラトニン受容体の変異が関与している可能性が示された。現在period遺伝子、Clock遺伝子、BMAL1遺伝子などの生体時計遺伝子についてもゲノム構造の解析を終了して同時進行で変異解析を進めており、既に複数の変異を見出し、疾患との関連を調べているところである。 今後も更に症例数を増やし、生体時計関連遺伝子の変異を包括的に解析し、睡眠覚醒障害と生体時計関連遺伝子の変異との相関関係の全貌を明らかにする。
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[Publications] Takashi Ebisawa, et al.: "Genetic polymorphisms of human melatonin 1b receptor gene in circadian rhythm sleep disorders and controls"Neuroscience Letters. 280. 29-32 (2000)
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[Publications] Takashi Ebisawa, et al.: "Alleic Variants of human melatonin 1a receptor: Function and prevalence in subjects with circadian rhythm sleep disorders"Biochem. Biophys, Res. Commun.. 262. 832-837 (1999)
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[Publications] Wangjie Yu, et al: "Characterization of three splice variants and genomic organization of the mouse BMAL1 gene"Biochem. Biophys. Res Commun.. 260. 760-767 (1999)
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[Publications] 海老沢 尚: "メラトニンと生体リズムの遺伝子機構"Molecular Medicine. 36(10). 1150-1159 (1999)
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[Publications] 海老沢 尚: "概日リズム障害と遺伝子変異"日本時間生物学会会誌. 5(1). 49-51 (1999)
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[Publications] 海老沢 尚: "サーカディアン リズム異常の分子生物学"医学のあゆみ. 190(4). 281 (1999)
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[Publications] 海老沢 尚(分担執筆): "生物時計の分子生物学(担当;メラトニンの分子機構-メラトニン受容体)"シュプリンガーフェアラーク 東京. 20 (1999)