1998 Fiscal Year Annual Research Report
新規カルシウム・リン代謝調節ホルモン(フォスファトニン)の測定法の開発
Project/Area Number |
10557096
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
武田 英二 徳島大学, 医学部, 教授 (00144973)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹谷 豊 徳島大学, 医学部, 助手 (30263825)
森田 恭子 徳島大学, 医学部, 助手 (40244777)
宮本 賢一 徳島大学, 医学部, 助教授 (70174208)
|
Keywords | フォスファトニン / Na依存性リン輸送担体 / スタニオカルシン2 / 遺伝性低リン血症 / 腫瘍性低リン血性骨軟化症 |
Research Abstract |
生体でのリン代謝は主に腎臓で調節されているが、腎尿細管にはI型とII型のナトリウム依存性リン(Na/Pi)輸送担体が発現している。副甲状腺ホルモンや血中リン濃度が変動すると、II型のNa/Pi輸送担体の発現量が変化するので、生体のリン代謝調節にはII型Na/Pi輸送担体が重要である。遺伝性低リン血症(XLH)や腫瘍性低リン血性骨軟化症(OHO)の病態解析から、II型Na/Pi輸送担体を介したリン再吸収活性を抑制する新規の生体のカルシウム・リン代謝を調節するホルモンとしてフォスファトニンの存在が示唆されている。そこで、本年度はフォスファトニン検出系の確立および腎尿細管でのNa/Pi輸送を阻害する液性因子(スタニオカルシン2:STC2)の解析を行った。 1)フォスファトニン検出の確立 フォスファトニンにより発現が調節されるヒトII型Na/Pi(NaPi-3)遺伝子のプロモーター下にルシフェラーゼ遺伝子を発現する腎近位尿細管細胞OK2400を樹立した。本細胞では、フォスファトニンを多量に含むXLH患者あるいはHypマウスの血清、さらにOHO患者由来の腫瘍培養上清を添加すると、ルシフェラーゼ活性の抑制が見られた。また、腎近位尿細管細胞に同様の血清および上滑を添加すると、リン輸送活性の低下が見られる。以上、フォスファトニンの検出系が確立できた。 2)Na/Pi輸送を阻害する液性因子の解明 腎尿細管でのリン再吸収を促進するSTCl遺伝子に相同性を示すSTC2遺伝子をヒト骨肉腫cDNAライブラリーよりクローニングした。STC2遺伝子を発現させたCHO細胞のメディウムはII型Na/Pi輸送担体遺伝子のプロモーター活性及びOK細胞のリン輸送活性を抑制した。今後、STC2がXLH、HypマウスおよびOHOの低リン血症をおこす因子であるかを明らかにしていくことが重要である。
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] Eiji Takeda: "Three types of Na+/Pi co-transporters." Int J Biochem Cell Biol. (in press). (1999)
-
[Publications] Kanako Katai: "Effect of dietary phosphate on the sodium-dependent phosphate transporter(NaPi-2)in rat kidney." J Develop Nephrol. 6. 38-47 (1998)
-
[Publications] Kyoko Morita: "Effects of dietary phosphate on Na+-dependent phosphate cotransporters function and expression in the rat kidney." Clin Exp Nephrol. 2. 109-116 (1998)
-
[Publications] Kyoko Morita: "Dietary regulation of renal phosphate transporters in hypophosphatemic mice." J Bone Miner Metab. 16. 234-240 (1998)
-
[Publications] Yutaka Taketani: "Regulation of Type II Renal Na+-dependent inorganic phosphate transporters by 1,25-dihydroxyvitamin D3." J Biol Chem. 273. 14575-14581 (1998)
-
[Publications] Sawako Tatsumi: "Molecularcloning and hormonal regulation of PiT-1 a sodium-dependent phosphate cotransporter from rat parathyroid glands." Endocrinology. 139. 1692-1699 (1998)
-
[Publications] 武田英二: "Annual Review腎臓1998" 中外医学社, 4 (1998)
-
[Publications] 武田英二: "分子腎臓病学、腎と透析増刊号" 東京医学社, 4 (1998)