2000 Fiscal Year Annual Research Report
臍帯圧迫自動制御システムの開発とそれを用いた子宮内胎児発育障害の病態の解明
Project/Area Number |
10557098
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上妻 志郎 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (10272569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸茂 元三 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (60282646)
馬場 一憲 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (30181035)
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Keywords | 臍帯圧迫 / 子宮内胎児発育障害 |
Research Abstract |
本年度はオクルーダによる臍帯圧迫に伴う臍帯血流量の変動パタンについて検討した。 妊娠120日前後の羊を用い、ハロセンによる全身麻酔下で帝王切開により羊胎仔を部分的に露出させ、胎仔に対し頚動静脈カテーテル、心電図電極、羊水カテーテル、臍帯動脈・頸動脈血流量プローブの留置装着を行い、臍帯にオクルーダを装着した。胎児を子宮内に戻し、子宮壁・母体腹壁を修復した後、術後の回復を待ち、準備手術96時間後に胎仔の血液ガス分析、心拍数・血圧測定を行い、生理的状態であることを確認した後に臍帯圧迫実験を施行した。 オクルーダに注入する生理的食塩水の量を調節することにより、臍帯動脈血流量を25%、50%、75%減少させ、それも伴う循環系の変化を観察した。注入した直後は生理的食塩水の量を一定にしても、臍帯血流量は一定とならず漸増する傾向を示した。臍帯血流量を一定に保とうとする胎仔循環系の反応によるものと考えられた。臍帯血流量を減少させた状態で一定に保つために、さらに生理的食塩水を追加注入すると、血流量は大きな変動を示し、時間の経過とともに安定する傾向を示した。圧迫開始1分後にはほぼ安定する傾向を示した。25%減少では心拍数、血圧には変化を及ぼさず、50%では血圧の変化を認めなかったが心拍数は軽度低下した。75%では血圧上昇、心拍数低下を認めた。血圧の変化を伴う場合には臍帯血流量の変化も大きかった。部分圧迫中は頸動脈血流量は増加する傾向が認められた。
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[Publications] G.Manuno,S.Kozuma, et al: "Generation of Periventricular feukomalacia by Repeated Umbilical Cord Occlusion in New-Term Fetal Sheep and its Possible Pathogenetical Mechanisms"Biology of the Neonate. 79(1). 39-45 (2001)