1998 Fiscal Year Annual Research Report
臨床に使用されている生体由来医用材料の完全合成代替材料の開発
Project/Area Number |
10557110
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩田 博夫 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (30160120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 高茂 グンゼ株式会社, 京都研究所, 室長
滝 和郎 三重大学, 医学部, 教授 (70144368)
井上 一知 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (90168435)
筏 義人 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (00025909)
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Keywords | 生体由来材料 / 硬膜 / ヤコブ・クロイツフェルト病 / 狂牛病 / 合成 / 医用材料 / 生体適合性 |
Research Abstract |
ヒト乾燥硬膜、牛心嚢膜やブタ血管など多くの生体由来材料が医用材料として使用されてきた。しかし、ヒト乾燥硬膜からのヤコブ・クロイツフェルト病の患者への感染、牛の狂牛病の発症等があり、WHOは動物由来材料の医用への使用を早急にやめるよう勧告を出している。本研究では動物由来医用材料の代替物を完全合成材料で開発する。まず、乳酸-カプロラクトン共重合体から硬膜補填材を開発し、現在その臨床応用を進めてその有効性の評価を進めている(J.Artifi Organs,1,10(1998))。さらに、これを少し改変し、縫合ラインの補強材の試作を行い、slaplerに装置し、イヌ肺部分切除モデルを用いてその有効性の評価を進めている。現在、牛嚢膜由来の補強材が市販されているが、これと比較して操作性、また治癒過程にほとんど差がない結果を得ており、乳酸-カプロラクトンフィルムは縫合ライン補強材として有望であると考えている。これは形状を工夫することで自動腸管吻合機にも応用できると考えている。生体由来材料は、単に上記研究のように機械的な機能の補助ばかりでなく、その生体適合性の良さに着目して使用される場合も多い。本研究の他の目的では、人工材料に細胞接着性や抗血栓を付与する研究を進め(J.Biomed.Mater.Res.32,621(1991))、生体由来材料に近い生体適合性の付与を試みている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 筏,岩田: "Clinical Application of new bioabsorbable artificial dura mater:a preliminary report" J.Artif.Organs.1. 10-14 (1998)
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[Publications] 岩田,筏: "Synthesis of monomeric and polymeric conjugates carrying a thrombin inhibitor through an ester bond" J.Biomed.Mater.Res.39. 621-629 (1998)
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[Publications] 岩田,筏: "Photolysis of a Fluorinated Polymer Film by Vacaum Ultraviolet Radiation" J.Polym.Sci., Part A:Polym.chem.Ed.36. 2215-2222 (1998)