1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10557112
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
黒田 嘉和 神戸大学, 医学部, 教授 (70178143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 康之 神戸大学, 医学部, 助手 (40304092)
具 英成 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (40195615)
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Keywords | 蛋白合成 / 二層法 / 膵臓移植 / 温阻血障害 |
Research Abstract |
我々が開発した二層単純浸漬保存法(二層法).は、保存中の膵グラフトに十分な酸素を供給しATPを合成することで、そのままでは生着しない90分温阻血障害膵の機能回復を可能にした。そのメ力ニズムの解明を目的に、保存中のグラフトでの蛋白合成の関与について検討した。イヌ膵に90分の温阻血を負荷し、,その後二層,法およびUW液単純浸漬保存法(UW)で20°C、5時間の保存を行なった。保存液にactinomycin.D(RNA合成阻害)やcycloheximidc(蛋白合成阻害)を加えた群を作成し、比較検討した。保存中のグラフトでのDNA.RNA、蛋白合成は[^3H]-thymidine、[^3H]-uridine、[^3H]-1eucineの取込みを定量した。また保存後自家移植を行ない、生着率を検討した。二層法では保存中に有意にRNA合成の増加(3時間目に頂値)とやや遅れて(5時間目に頂値)蛋白合成の増加が認められたが、UWでは全く認められなかった。またDNA合成はいずれの保存法でも見られなかった。さらにactinomycin Dを添加するとRNA、蛋白合成とも抑制された。20°C、5時間の二層法保存でのみ90分温阻血障害膵グラフトは生着する(5/5)が、actinomycin Dやcycloheximide.添加群では生着例はなかった(0/5、0/5)。以上より二層法保存中に転写レベルで調節される蛋白合成が、温阻血障害膵の機能回復に不可欠と考えられたb。 今後、ストレス蛋白(heat shock protcin)の発現などをWcstcrn blot analysisや免疫染色などの手法を用いて検討していく予定である。
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