1998 Fiscal Year Annual Research Report
ホロファイバー型モジュールを用いた人工腎臓作成とその臨床応用についての研究
Project/Area Number |
10557114
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
鶴岡 秀一 自治医科大学, 医学部, 助手 (50285798)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武藤 重明 自治医科大学, 医学部, 講師 (40190855)
浅野 泰 自治医科大学, 医学部, 教授 (00050500)
杉本 孝一 自治医科大学, 医学部, 講師 (90244491)
藤村 昭夫 自治医科大学, 医学部, 教授 (90156901)
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Keywords | 多剤耐性蛋白 / ホロファイバーモジュール / ジゴキシン / ドキソルビシン / 薬物中毒 |
Research Abstract |
これまでに我々は多剤耐性蛋白(MDR)を過剰発現させた培養尿細管細胞を作成し、これをホ口ファイバー型モジュール上に培養したシステムを開発してきた。そしてこのシステムを用いることで、MDR基質であるジゴキシン、ドキソルビシンを少なくともin vitroにおいて効率良く除去できることを報告した。これを薬物中毒の治療に応用するために、平成10年度は以下の基礎実験をおこなった。 1)ヘパリン化したヒト新鮮血、および期限切れの凍結血漿(20%)にジゴキシン、ドキソルビシンを加えてホロファイバーシステムにおけるin vitroでの薬物輸送能の変化を検討した。これによると両者とも細胞培養液を用いた時とほぼ同等(平均で培養液使用時の95%)の輸送能を示した。イヌリンの輸送はみられなかった。また。全血使用によるLDH(lactate dehydrogenase)の血中への放出はみられず溶血もみられなかった。顆粒球エラスターゼ値はホロファイバー通過後に前値に比べ平均約30%増加したが、その増加は血液透析時に見られるものよりはるかに小さかった。 以上のことから、今後このシステムを動物に装着しての効果を検討する際に血漿分離をする必要はないと考えられた。今後動物実験を行う予定であり、そのためのシステムを作成中である。しかし、白血球機能をやや亢進させるようであり、これを抑制させる工夫(例えば薬物の併用など)も検討する必要がある。
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Research Products
(1 results)