1999 Fiscal Year Annual Research Report
ホロファイバー型モジュールを用いた人工腎臓作成とその臨床応用についての研究
Project/Area Number |
10557114
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
鶴岡 秀一 自治医科大学, 医学部, 助手 (50285798)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 泰 自治医科大学, 医学部, 教授 (00050500)
杉本 孝一 自治医科大学, 医学部, 講師 (90244491)
藤村 昭夫 自治医科大学, 医学部, 教授 (90156901)
武藤 重明 自治医科大学, 医学部, 講師 (40190855)
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Keywords | 多剤耐性蛋白 / ホロファイバー型モジュール / ジゴキシン / ドキソルビシン / 薬物中毒 |
Research Abstract |
これまでに我々は多剤耐性蛋白 (MDR) を高頻度発現させた腎尿細管培養細胞を作成し、小型のホロファイバー型モジュール上に培養したシステムをin vitroにおいて作成してきた。また、このシステムの薬物除去能をin vitroで検討してきた。本年は、これを薬物中毒治療に応用するべく、以下の基礎的研究を行った。 1)ヒトでの治療に必要と推定された能力を得るために、ホロファイバー型モジュールのサイズをスケールアップした。具体的には現在の血液透析に使用されているホロファーバー型モジュール(膜面積2平方メートル)を使っての細胞培養を開始した。さらに緩徐持続式血液ろ過透析器を用いての回路設計を行った。この回路の温度や酸素濃度維持のために必要ないくつかの装置を考案、作成した。また、細胞接着性や生体適合性に対する、材質の異なる種々の透析膜の影響についても検討した。生体適合性を高めるための手段として、様々な薬物(ヘパリン、メシル酸ナファモスタットなど)の効果を検討した。 2)大動物(イヌ)を用いてのMDR基質の一つであるジゴキシンの中毒モデルを作成した。このためにジゴキシンを単回投与し、経時的な採血を行い、イヌにおけるジゴキシンの薬物動態学的パラメータを求めた。この結果に基づき、中毒モデル作成のための薬物投与設計を行った。 3)培養細胞のMDR輸送能を更に高めるべく、MDR遺伝子の変異型を導入した細胞を作成し、この薬物輸送能の評価を行った。今後は輸送能の更に高い細胞作成を目指す予定である。
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[Publications] 鶴岡秀一: "ハイブリッド人工腎臓。新しい薬物除去法の開発"人工臓器. 27(6). 761-764 (1998)
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[Publications] Tsuruoka, S.: "Removal of digoxin and doxorubicin by MDR-overexpressing cell cultured in hollow fiber"Kidney Int.. 56(2). 154-163 (1999)