1998 Fiscal Year Annual Research Report
顕微鏡切片からの採取組織におけるmRNA発現の定量化:液相ノーザンPCR法の開発
Project/Area Number |
10557119
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小田 竜也 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (20282353)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清野 研一郎 日本学術振興会(臨床医学系), 特別研究員
野口 雅之 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (00198582)
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Keywords | mRNA / 定量 / RNAase プロテクションアッセイ |
Research Abstract |
本研究の目的は、がん結節の構成成分を分離採取し、それぞれの部分別に複数分子の共発現を定量する系の確立にある。解析のモデル分子として各種がんの間質への浸潤過程に関与する間質分解酵素群を対象にしている。 (1) 7種類の一定長の分子プローブの作成 MMP-2,MMP-9、それらの活性化酵素としてMT-MMP-1,uPA、阻害酵素としてTIMP-1,2とハウスキーピング遺伝子であるDNA elongation factorの合わせて7分子に対する特異的プローブを310bp〜420bpの間に10-20bpづつ長さを違えてデザインした。正常ヒト上皮、リンパ球、細胞株等のmRNAをテンプレートとして、RT-PCR及びTA-cloningにより一定長の分子プローブをクローン化した。(予定通り完了) (2) 細胞株を対象とした液相ノーザン法の検討 当初マグネットビーズ上でsolid-phase cDNAを合成し、長さの異なったプローブをハイブリダイズし回収、電気泳動する系の開発を試みたが、結果としては失敗に終わった。その理由として(1)ビーズ上でRT反応をする際、異なった分子でその変換効率が異なる(2)プローブをデザインした位置がpolyAから異なった距離だとcDNAに変換される分子数が元の分子数を反映しない(polyAに近くデザインされた分子が遠くにデザインされたものよりも、見かけ上多く検出される)(3)ビーズ本体に非特異的に結合するプローブがバックグラウンドとしてNegative Controlにも検出される、等が挙げられる。 上記の反省から現在RT反応を含まないで直接検体のmRNAに長さの異なったプローブをハイブリダイズさせた後にRNAaseによる消化を行うRNAase protection asssayに方法を切り替え研究を継続している。preliminallyな結果ではあるが、少なくとも3つの分子の同時定量が10ugのtotalRNAを対象にして可能であることが解った。
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