1999 Fiscal Year Annual Research Report
顕微鏡切片からの採取組織におけるmRNA発現の定量化:液相ノーザンPCR法の開発
Project/Area Number |
10557119
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Research Institution | Univ. of Tsukuba |
Principal Investigator |
野口 雅之 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (00198582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清野 研一郎 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (20312845)
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Keywords | mRNA / RNAase プロテクションアッセイ / 大腸がん / MMP |
Research Abstract |
本研究の目的は、がん結節の構成成分を分離採取し、それぞれの部分別に複数分子の共発現を定量する系の確立にある。当初の独自に考案した液相ノーザン法は、バックグラウンドノイズがどうしても消せない事や、複数分子を対象とした場合にはマグネットビーズ上での cDNAへの変換効率が分子毎に異なる事などが理由で実用化出来なかった(中間報告済み)。今年度はmultiplex RNAase protection assay(MRPA)法にを切り替え研究を展開した。 1.MRPA法・・・前年度にクローン化したプラスミドから、T7 プロモーター配列を付加した直鎖状テンプレートを作成し、T7ポリメラーゼを用いてRNAプローブを作製した。7つのRNA分子プローブを同時にサンプルRNAとハイブリダイズした後、RNase 消化により結合していない一本鎖RNAや非特異的に結合したプローブを分解した。消化されずに残ったプローブはサンプルRNAと特異的に結合したもののみであり、これを電気泳動し各々の分子の発現量として解析した。複数分子のバンドが階段状に確認できた。 2.既存のノーザンブロット法により7分子の mRNA発現を定量し本方法と比較した。シグナル強度は再現性があり、1回のMRPA法が7回のノーザンブロット法に取って代われることを確認した。 3.確立したシステムを用いて、肝内増殖能、肝転移能に違いがある10 個の大腸がん細胞株における MMP システムのmRNA解析を行った。コントロール分子は全ての細胞株で等しく強発現していた。MT1-MMP,uPA は肝転移の認められない5つの細胞株で発現が上昇しており、MMPシステムが活性化している可能性が示唆された。 4.微小サンプルに対して、今回確立した MRPAが応用できるか否かを検討した。EF の様な単位細胞当たりの発現量の多い分子は約10ngでも確認出来るが、今回目的としたようなMMP等は1μgでも検出出来なかった。
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Research Products
(1 results)