1999 Fiscal Year Annual Research Report
男子不妊症の診断法と治療法の開発:原因遺伝子の解析を含めた臨床遺伝学的な展開研究
Project/Area Number |
10557145
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
岩本 晃明 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (60046117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古市 泰広 日本ロシュ株式会社研究所内, 株式会社エイジーン研究所, 所長(研究職)
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Keywords | 男子不妊症 / Semenogelin / 精子運動抑制因子 / 遺伝子診断 / Y染色体DNA多型 |
Research Abstract |
男子不妊症の診断法と治療法の開発を目指し、基礎・臨床の両面から研究を行い、次のような知見が得られた。 臨床研究 平成10年度に引き続き、聖マリアンナ医科大学倫理委員会の承認のもとDNA収集を行い、現在約500名の男子不妊症患者ジーンバンクの構築を終えた。 これらのDNAの解析として、Semenogelin geneのDNA配列を検討したところ、患者5名で第2エクソンの一部に欠失がみられたが、精液所見との相関はなく、健常人にもみられる正常変異であると考えられた。また、精子形成能に重要な役割をすると考えられているY染色体上の3つのDNA多型を分析し、不妊患者および妊孕能のあるボランティア成人男性を4種類のハプロタイプに分類し、精液所見との関連について検討した。その結果、各ハプロタイプ間で精子濃度に差があることが判明した。また無精子症の起こり易さは特定のハプロタイプと関連していることを明らかにし、J.Hum Genet に発表した。今後更に症例数を増やしてこれらの関係について詳細に検討してゆく。 基礎的研究 精製後のrecombinant Semenogelin (r-Sg)は、溶液中で非常に不安定な状態であり、容易に析出・分解してしまうのが難点であった。この点を改良すべく、Ni-NTA resinにて精製したr-Sgタンパクを高速液体クロマトグラフィーを用いて精製したが、精製後のr-Sgは溶解しにくく活性も低下してしまった。 今後は、培養上清中に分泌されたSgタンパクを低圧液体クロマトグラフィーシステムを用いて回収・精製する系の確立を目指す。 また、r-Sgを抗原にしてモノクローナル抗体作成を試みているが、現在のところ特異性と力価の高いクローンが得られず、更にスクリーニング中である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Y. Kuroki, T. Iwamoto, J. Lee, M. Yoshiike, S. Nozawa, T Nishida et al: "Spermatogenic ability is different among males in different Y chromosome Lineage"Journal of Human Genetics. 44. 289-292 (1999)