1999 Fiscal Year Annual Research Report
スギ花粉症に対する修飾抗原を用いた減感作療法の奏功機序の解明
Project/Area Number |
10557152
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
今野 昭義 千葉大学, 医学部, 教授 (70009497)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沼田 勉 千葉大学, 医学部, 講師 (60189355)
寺田 修久 千葉大学, 医学部, 講師 (70197797)
仲野 公一 千葉大学, 医学部, 助手 (50261920)
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Keywords | SBP-プルラン結合スギ抗原 / 減感作療法 / Symptom-medication score / 末梢血単核球 / サイトカイン産生能 / IL-4 / IL-5 / mRNA |
Research Abstract |
SBP-プルラン結合スギ抗原を用いた減感作療法群13例と薬物療法群10例についてSympton-medication scoreを用いて平成11年度の臨床症状を比較した。平成11年度もスギ飛散期後半以降に2群間に有意な差が認められた。末梢血単核球のスギ抗原刺激時におけるサイトカイン産生能を比較した。IL-4産生量は、平成10年と平成11年の飛散前、及び平成10年と平成11年の飛散後を比較すると、減感作療法群でのみ有意な低下が認められた。平成10年は、薬物療法群では花粉飛散前後で有意な増加が認められたが、減感作療法群ではその増加が抑制されていた。IL-5産生量は、減感作療法群では、平成11年飛散前は平成10年飛散前より有意に低下していた。平成10年では、飛散前後で両群とも有意な変化が認められなかったが、平成11年は薬物療法群にのみ花粉飛散後の有意な増加が認められた。IL-13産生量は、平成10年と平成11年の飛散前を比較すると、減感作療法群でのみ有意な低下が認められた。また、平成11年花粉飛散による増加は、薬物療法群にのみ認められた。IFN-γの産生量は、平成11年には両群とも飛散後に有意な増加が認められたが、両群間に有意差は認められなかった。スギ特異的IgE抗体は、花粉飛散後に増加する傾向があったが、2群間に有意な差は認められなかった。スギ特異的IgG4は、減感作療法により有意に増加した。IL-4とIL-5のmRNAの発現量は、ともに平成11年に減感作療法群で有意に低くなった。IL-4は薬物療法群では増加している一方、減感作療法群では変化がなく、IL-5は減感作療法で減少する傾向があった。特異的減感作療法の効果の発現機序として、アレルゲン刺激に対するT細胞応答を減弱することが示された。
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Research Products
(19 results)
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[Publications] 今野 昭義,他: "アレルギー性鼻炎における鼻粘膜ヒスタミン過敏性および鼻過敏症のサーカティアンリズムとクロノセラピー"アレルギー科. 8. 451-455 (1999)
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[Publications] 今野 昭義,他: "鼻粘膜過敏性をめぐる基礎的問題"現代医療. 31. 2899-2906 (1999)
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[Publications] 今野 昭義,他: "鼻アレルギーの病態と化学伝達物質"臨床薬理. 30. 535-536 (1999)
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[Publications] 今野 昭義,他: "アレルギー性鼻炎の病態とトロンボキサンAおよびペプチドロイコトリエン"呼吸. 18(No6). 103-110 (1999)
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[Publications] 奥田稔,今野昭義,他: "特異的減感作療法のための標準化スギ花粉エキス(To-194)"耳鼻. 45. 245-250 (1999)
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[Publications] Konno A, et al.: "Mechanism of hyperreaetivity in nasal Allergy"J. Rhinol. 6(1). 31-38 (1999)
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[Publications] Numata T, et al.: "Comparative role of peptide leucotrienes and histamine in the development of nasal mucosal swelling in nasal allergy"Annals Otol Rhinol Laryngol. 108(5). 467-473 (1999)
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[Publications] Numata T, et al.: "Role of vascular reflex in nasal mucosal swelling in nasal allergy"Laryngoscope. 110. 297-302 (2000)
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[Publications] 沼田 勉,他: "花粉アレルゲン回避と減感作療法"Medicina. 37. 208-209 (2000)
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[Publications] 沼田 勉,他: "アレルギー性鼻炎の発症機序"アレルギー科. 9(1). 17-25 (2000)
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[Publications] 沼田 勉,他: "アレルギー疾患の診断-鼻粘膜過敏性測定法-"アレルギー科. 9(1). 206-215 (2000)
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[Publications] 沼田 勉,他: "アレルギー疾患の治療法とその効果-抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬-"アレルギー科. 9(1). 387-395 (2000)
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[Publications] 沼田 勉,他: "アレルギー性鼻炎症例における治療による鼻粘膜過敏性の変化"アレルギー科. 7(5). 406-416 (1999)
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[Publications] 沼田 勉,他: "スギ花粉特異的IgE抗体値の推移とスギ花粉症の発症"アレルギー科. 7(3). 192-198 (1999)
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[Publications] 沼田 勉,他: "花粉症に対する薬物療法"アレルギー科. 9(2). 164-171 (2000)
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[Publications] 沼田 勉,他: "抗アレルギー薬とステロイド薬の使い分け"アレルギー免疫. 7. 377-385 (2000)
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[Publications] Terada N, et al.: "Diesel exhaust particulates upregulate histamine receptor mRNA and increase histamine-induced IL-8 and GM-CSF production in nasal epithelial cells and endothelial cells"Clin Exp Allergy. 29. 52-59 (1999)
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[Publications] 今野昭義: "第4回「那須ティーチイン」学術集会記録:神経因性気道過敏症の病態、アレルギー性炎症と気道過敏症をめぐる諸問題-上気道の特異性を探る-"日本アレルギー協会. 156 (2000)
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[Publications] 今野昭義、他: "鼻アレルギー診療ガイド"ライフセイエンス・メディカ. 67 (1999)