1998 Fiscal Year Annual Research Report
脈絡膜血管新生の水溶性高分子による薬物ターゲティング
Project/Area Number |
10557154
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
本田 孔士 京都大学, 医学研究科, 教授 (90026930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中河 静江 武田薬品工業株式会社, 創薬研究所, 主席研究員
筏 義人 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (00025909)
田畑 泰彦 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (50211371)
桐生 純一 京都大学, 医学研究科, 助手 (80281096)
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Keywords | 脈絡膜血管新生 / ターゲティング / 薬物 / 水溶性高分子 / エンドグリン / TNP-470 / CD105 |
Research Abstract |
本年度は脈絡膜血管新生に対する水溶性高分子を用いた2種類のターゲティング方法に関して研究を行い、各々成果が得られた。ひとつは、血管新生抑制剤であるTNP-470を水溶性高分子であるポリビニルアルコール(PVA)に結合させた薬物複合体を用いた受動的ターゲティング法である。まず培養ヒト謄帯静脈内皮細胞を用いて、複合体の増殖抑制効果を確認した。次に家兎の脈絡膜血管新生モデルを用いて、蛍光標識したPVAを静脈内投与し、PVAの脈絡膜血管新生部位への集積効果を確認した。最後に、家兎の脈絡膜血管新生モデルに対する抑制効果を複合体投与群、TNP-470単独投与群、PVA単独投与群と比較検討した結果、明らかな血管新生抑制効果を認めた。もうひとつの方法として、モノクローナル抗体を用いた能動的ターゲティング法を検討した。この方法は脈絡膜新生血管に比較的特異的に発現すると考えられるエンドグリン(CD105)を認識するモノクローナル抗体に薬物と水溶性高分子の複合体を結合させた免疫複合体を使用し、より特異的に脈絡膜新生血管にターゲティングするものである。加齢黄斑変性患者からの外科的脈絡膜新生血管膜摘出標本を用いて、新生血管におけるCD105の免疫活性を評価した。また、サルの脈絡膜血管新生モデルで、血管新生部位と他の組織とのCD105の免疫活性の違いを比較検討した。その結果、CD105は脈絡膜新生血管に比較的特異的に発現していることが明らかになった。次にCD105に対するモノクローナル抗体をマイトマイシンCとPVAとの複合体(PVA-MMC)に結合させた免疫複合体(mAb-PVA-MMC)を作成した。培養ヒト謄帯静脈内皮細胞に対する増殖抑制効果をPVA-MMCと非特異的抗体との免疫複合体(IgG-PVA-MMC)とで比較検討した結果、mAb-PVA-MMCの特異的増殖抑制効果が明らかとなった。
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Research Products
(1 results)