1999 Fiscal Year Annual Research Report
ブラキシズムの成因に関する大脳基底核の役割とその評価法
Project/Area Number |
10557164
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
増田 裕次 大阪大学, 歯学部, 助手 (20190366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 耕一 日本電気株式会社, 医療機器事業部, 課長
日高 修 大阪大学, 歯学部・附属病院, 講師 (30252696)
松尾 龍二 岡山大学, 歯学部, 教授 (30157268)
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Keywords | 大脳基底核 / 被核 / 淡蒼球 / 咀嚼筋 / イボテン酸 / ウサギ |
Research Abstract |
本研究はブラキシズムと中枢神経系、特に大脳基底核の活動性との関係を実験的に明かにしようとするものである。さらに、実験的に得られた結果を用いてブラキシズムの評価法に一つを確立することを目的としている。本年度は、顎運動に関連した部位を破壊することにより、認められる顎運動の変化、不随意運動を調べた。実験にはウサギを用い、定位的に脳内に挿入したガイドカニューレを介して、イボテン酸を注入することにより、行った。破壊後の行動観察は補助金により購入したカラービデオカメラを用い、また、筋電図活動の観察にはメモリオシロスコープを使用した。以下に行った研究の成果を示す。 1. 両側性の破壊により、数日間、摂食量および飲水量の減少が認められた。 2. ビデオによる、行動観察から全身的な影響と思われる無動時間の延長が認められた。しかし、この無動と摂食量の減少に関連性は認められず、この無動が摂食量の減少の直接的な原因ではないことが明らかとなった。 3. 破壊後、摂食量の減少に伴い、餌箱へ向かう回数は減少したが、摂食量に対するこの行動の頻度は破壊前に比べ増大していた。このことは、破壊により飼料を摂取する行動の発現に影響が及んだことを示唆する。 4. 摂食時間についても破壊後、摂食量の減少と伴に短縮したが、摂食量に対する摂食時間は破壊前と変化していなかった。つまり破壊後も同量の飼料を咀嚼する際に要する咀嚼時間に大きな相異がないことが明かとなった。このことは、破壊が咀嚼時の臼磨運動に影響していないことを示唆する。 5.節電図活動から、破壊後は咀嚼時以外にも、リズミカルな活動が認められた。このことは、基底核の破壊により、不随意な顎運動の出現を示唆するものである。 これらの咀嚼行動に対する影響や不随意な顎運動とブラキシズムの関係については今後の研究により解明すべき問題である。
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[Publications] Kato,T.: "Characteristics of the muscle spindle endings of the masticatory muscles in the rabbit under halothane anesthesia"Brain Res.. 833. 1-9 (1999)
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[Publications] Hidaka,O.: "Behavior of jaw muscle spindle afferents during cortically induced rhythmic jaw movements in the anesthetized rabbit"J. Neurophysiol.. 82. 2633-2640 (1999)
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[Publications] Masuda,Y.: "Activities of basal ganglia neurons during mastication in awake rabbit"J. Dent.Res. 78S. 2021 (1999)
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[Publications] Hidaka,O.: "Influence of clenching intensity on the bite force balance,occlusal contact area and average bite pressure"J. Dent. Res. 78. 1336-1344 (1999)
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[Publications] Masuda,Y.: "Neurobioligy of Mastication"Elsevier Science. 3 (1999)
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[Publications] Morimoto,T.: "Hydrocolloids-part2"Elsevier Science. 8 (2000)