1998 Fiscal Year Annual Research Report
超音波唾液腺造影法 - 唾液腺疾患における新しい診断法の確立
Project/Area Number |
10557171
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉野 真弓 (清水 真弓) 九州大学, 歯学部, 助手 (50253464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪根 泉 フクダ電子, 超音波事業部, 研究員
徳森 謙二 九州大学, 歯学部, 助手 (40253463)
三輪 邦弘 九州大学, 歯学部, 助手 (10136509)
中野 敏昭 九州大学, 歯学部, 医員
吉浦 一紀 九州大学, 歯学部, 講師 (20210643)
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Keywords | 炎症 / 超音波診断法 / 唾液腺造影法 |
Research Abstract |
超音波像撮像の際に造影剤を応用し、唾液腺造影法と超音波検査法との両者の利点を合わせ持った新しい診断法の確立を目的として本研究を行った。今年度は前段階として、造影剤を用いず、炎症性疾患における超音波画像の分析を行った。 まず、ラット顎下腺の超音波画像の撮像に際し、超音波画像撮像手技の規格化をはかった。すなわち、探触子を一定角度に保つための保持装置を作製、一定の圧力での撮像を可能とするための探触子固定型圧力センサを作製、撮像時のモーション・アーチファクトを避けるためのアクリル固定具の作製を行った。 次に、導管の拡張を誘発する慢性炎症のモデルを作成した。ラット顎下腺管を一定期間ナイロン糸で結紮し、顎下線に慢性閉塞性顎下腺炎を誘発し、超音波画像(B-modeおよびカラードプラ法)を撮像した。超音波診断装置は、当教室現有のSequoia512(Acuson社、USA)を使用し、B-mode、カラードプラ法の中心周波数がそれぞれ13.0,14.0MHzの小型探触子を用いて撮像した。撮像後、結紮側と対照側の顎下腺を摘出し、湿重量の測定と組織切片の作製を行った。湿重量と病理組織学的変化の分析より、結紮後1-2日を急性期、4-7日を慢性移行期とした。結紮側顎下腺の超音波画像では、急性期には内部エコーレベルの低下や分布の不均一化は認められず、血流の増加が検出された。慢性移行期には内部エコーレベルの低下・分布の不均一化が認められ、血流は対照側と同程度まで減少した。
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